2024年7月31日(水)

BBC News

2024年7月31日

インド南部ケララ州で30日午前、豪雨による土砂崩れが発生し、少なくとも123人が死亡した。さらに数十人が土砂の下敷きになっている恐れがあるという。

土砂崩れがあったのは、ケララ州ワヤナド地区の山岳地帯で、住民の多くが寝ている時間だったという。

救助活動が続いているものの、激しい雨と主要な橋の崩落により難航している。

また、救助隊がたどり着けていない地域で約100人が孤立状態にあるため、当局は犠牲者がさらに増えると懸念している。

当局は、捜索救助活動を支援するために200人以上の兵士を派遣している。

ケララ州のピナリ・ヴィジャヤン州首相は記者会見で、30日の土砂崩れは「地域全体を押し流した」と説明した。

また、現地の病院で少なくとも123人の負傷者が治療を受けているほか、3000人以上が救助され、45カ所の避難所に移動したと述べた。

これまでに、ワヤナド地区で65人の死亡が確認されている。隣接するマラップラム地区のチャリヤール川では16人の遺体が発見された。そのほかにも遺体の一部が多数見つかっているという。

ワヤナド地区は西ガーツ山脈に属する丘陵地帯で、モンスーンの季節には土砂崩れが発生しやすい。

今回の土砂崩れは、ムンダッカイ、アッタマラ、チョーラルマラ、クンホームなど、この地区のいくつかの地域を襲っている。

ソーシャルメディアに投稿された動画では、未舗装の道路や森林地帯に泥水が流れ込み、家屋が流され、人々や車が立ち往生している様子が映し出されている。

また、チョーラルマラとムンダッカイおよびアッタマラを結ぶ橋が崩壊したため、救助隊員が孤立した家族にたどり着くのが難しくなっているという。

現在、州や国の災害救援チームが、地元住民の助けを借りて救助活動を行っている。

住民のラガヴァン・C・アルナマラさんは、恐ろしい光景を見たと語った。

「がれきに閉じ込められた男性が助けを求めて叫んでいるのを見た。消防士や救助隊員がここ数時間、彼のもとへ向かおうとしている」

地元メディアは、住民が家族など捜すために病院に押し寄せている報じている。

茶畑やカルダモン農園が多数ある被災地では、350世帯近くが暮らしていたとみられている。

犠牲者の多くは農園で働いていた人々で、土砂崩れが発生したとき、簡易テントで眠っていた可能性が高い。

ワヤナド地区とその近隣地域は、大雨の予報のため依然として警戒態勢にある。

また、ケララ州14地区のうち10地区で学校と大学が閉鎖された。

ナレンドラ・モディ首相はX(旧ツイッター)に、ケララ州のヴィジャヤン州首相と話し、連邦政府が救援活動に協力することを確約したと投稿した。

また、犠牲者の家族に20万ルピー(約36万円)、負傷者に5万ルピーの補償を行うと発表した。

2019年には、今回の被災地域から10キロほど離れたワヤナド地区プトゥマラで土砂崩れが発生し、17人が死亡した。

(英語記事 India landslides kill 120 and trap dozens

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/crg4y0zzvxlo


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