2024年8月7日(水)

BBC News

2024年8月7日

11月のアメリカ大統領選に向けて、民主党の大統領候補になったカマラ・ハリス副大統領(59)は6日午後、副大統領候補に指名したティム・ウォルツ・ミネソタ州知事(60)と共に、ペンシルヴェニア州フィラデルフィアで選挙集会を行った。両候補がそろって登壇するのは初めて。

今月19日からシカゴで始まる民主党の全国党大会で、両者の候補指名が正式に発表される。ハリス氏は5日に終わったオンライン投票で、指名に必要な民主党代議員の票を確保した。

この日の集会では、ハリス氏とウォルツ氏が一緒に姿を見せると、群衆からは大喝采が起きた。

ハリス氏からマイクを引き継いだウォルツ氏は、ハリス氏の伴走者になることを「これ以上ないほど誇りに思う」と語った。

そして、検事としての初日から現在に至るまで、「ハリス副大統領は米国民の側で戦ってきた」とし、「彼女は捕食者や詐欺師を扱い、多国籍ギャングを倒し、強大な企業の利害に立ち向かい、人々の生活の向上につながるのなら決してためらわず、党派を超えて働きかけてきた」とした。

「彼女はそのすべてを、喜びを感じながらやっている」と、ウォルツ氏は付け加えた。

共和党の大統領候補ドナルド・トランプ前大統領(78)については、自分たちと「世界の見方が違う」、「奉仕というものを何もわかっていない。なぜなら、自分自身に奉仕することであまりに忙しいからだ」と述べた。

ウォルツ氏はまた、アメリカが「政治的な違いを暴力ではなく投票で解決する場所」であってほしいと語った。

「ドナルド・トランプは確実に、私たちを後退させる」とし、トランプ候補について「あなた方の家族のためには戦わない」し、「中絶を禁止する」だろうとした。

トランプ候補が共和党の副大統領候補に指名したJ・D・ヴァンス上院議員(39)についても触れ、「あの男と討論するのが待ちきれない」とした。

先に演説したハリス氏は、出馬を表明してから「より明るい未来を築くためのパートナーを探すことにした。この国を団結させ、私たちが前進するのを手助けしてくれるリーダーを」と切り出した。

そして、自身の伴走者に指名したウォルツ氏を、「中産階級のためのファイター」であり「愛国者」だと紹介した。

また、州兵や、公立高校の教師やアメフト・コーチだったウォルツ氏の経歴に触れ、「ティム・ウォルツはアメリカのすべての子供たちが憧れる、すべての子供たちにふさわしい教師でありメンターだった」とした。

そのうえで、「それこそが、アメリカにふさわしい副大統領だ」と述べた。

さらに、自分とウォルツ氏は「多くの点で意見が一致している」とした。

そのうちの一つが中産階級を強固にすることで、これは自分が大統領に選出された場合の「決定的な目標」になると、ハリス氏は述べた。

ハリス氏はまた、ウォルツ氏がミネソタ州知事として、公立学校の子供たちが朝食と昼食を無料で食べられるようにする州法の成立に貢献したことにも言及した。

また、ウォルツ氏は、米連邦最高裁が2022年に、アメリカで長年、女性の人工妊娠中絶権は合憲だとしてきた1973年の「ロー対ウェイド」判決を覆す判断を示した後に、「生殖に関する自由を基本的権利として明記した全米初の知事」だったとも付け加えた。

銃政策をめぐっても、ウォルツ氏を称賛。銃所持者でありハンティングもする同氏について、「アメリカにおける合理的な銃の安全性に関する法」を支持していると、ハリス氏は述べた。

ハリス氏は自身のこれまでの経歴も強調。カリフォルニア州司法長官や検事時代に「あらゆるタイプの加害者を扱ってきた」とし、「トランプのようなタイプは知っている」と述べた。

自身の選挙陣営については「勝ち目が薄い側」だとしているが、選挙戦から撤退したジョー・バイデン大統領からバトンを受け継いで以降、勢いづいていることを認めている。

「この選挙戦はドナルド・トランプに対する戦いというだけでなく、未来のための戦いでもある」と、ハリス氏は述べた。

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c9wjkjvrew9o


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