パリ・オリンピック(五輪)は競技11日目の6日、レスリングの男子グレコローマンスタイル60キロ級で文田健一郎が、東京五輪で逃した金メダルを獲得した。この種目で日本選手が優勝したのは40年ぶり。女子68キロ級でも尾﨑野乃香が銅メダルを手にした。スケートボード女子パークでは開心那が2大会連続の銀メダルを勝ち取った。
文田が東京五輪の雪辱を果たす
レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級では、東京五輪で銀メダルだった文田が、5日の1回戦と準々決勝を危なげなく勝ち上がった。
準決勝はキルギスのゾラマン・シャルシェンベコフと対戦。リードを奪われながらも逆転勝ちで決勝に進んでいた。
この日の決勝の相手は中国の曹利国。文田は開始から攻め、曹をひっくり返すなどして3-0とリードして前半を終える。
後半は先にポイントを奪われたものの、文田はリードを守り切り、4-1で勝利。悲願の金メダルを獲得した。
日本選手がこの種目で金メダルを手にしたのは、1984年ロサンゼルス五輪の宮原厚次さん以来。
表彰式後のインタビューで文田は、「このメダルが何グラムなのか分からないんですけど、本当に月並みですけど、今までとってきたどのメダルよりも重い。それはこのメダルの重みだけではなくて、すごい長い時間をかけてこのメダルを目指したので、その時間とか、そこで感じたことが今この首にかかっているんだなと思います」と話した。
そして、「家族の存在がなかったら、おそらくもう一回(金メダルを獲得を)目指そうとも思っていなかったかもしれない」と、支えてくれた妻や娘、指導を受けてきた父への感謝を述べた。
この種目の銅メダルは、キルギスのシャルシェンベコフと、北朝鮮のリ・セウンが手にした。
尾﨑は敗者復活から銅メダル
レスリング女子68キロ級では、敗者復活戦を勝ち上がった尾﨑が3位決定戦でナイジェリアのブレッシング・オボルドゥドゥと対戦した。
尾﨑は前半でタックルを決め2-0とリードを奪うと、後半もポイントを追加。相手には1ポイントも許さず、3-0で勝利した。
金メダルはアメリカのアミット・イーロア、銀メダルはキルギスのメーリム・ズマナザロワがそれぞれ獲得。銅メダルは尾﨑と、トルコのブーセ・チャヴショール・トスンが手にした。
豪14歳が金、15歳の開が銀、英16歳が銅
スケートボード女子パークでは、東京五輪で銀メダルを勝ち取った15歳の開が、予選をトップで通過。予選上位8人が3回のラン(45秒間の自由滑走)で争う決勝に臨んだ。
開は1本目で高難度の技を成功させ、91.98の高得点を出して暫定1位に。全員が2本目を終えた時点でもトップを維持した。
だが3本目、オーストラリアのアリサ・トゥルーが大技を2度決め、93.18で逆転した。続いて、東京五輪銅メダリストのイギリスのスカイ・ブラウンも92.31をマーク。開は暫定3位に後退した。
しかし開は最終ランで、空中でのトリックを成功させるなどし、92.63を得点。ブラウンを抜いて、銀メダルを決めた。金は14歳のトゥルー、銅は16歳のブラウンが手にした。
開は表彰式後のインタビューで、「メダルを取れてうれしいという気持ちもあるけど、また銀メダルで金メダルに一歩届かないところだったので、悔しい気持ちもあります」と述べた。
また、「東京のときは最後のランをミスって、出したいものを出し切れなかったんですけど、今回は自分の出したいものをすべて出し切っての結果だったのですごいうれしいです」、「最後のランは練習でも1本も通していないランだったので、それを通せて本当にうれしかったです」と話した。そして、4年後のロサンゼルス五輪への出場も目指すと述べた。
予選3位で決勝に臨んだ草木ひなのは8位に終わった。東京五輪で金メダルを獲得した四十住さくらは予選で敗退した。
この種目では、中国の11歳の鄭好好が、同国史上最年少の五輪選手として出場。予選18位で競技を終えた。
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