2024年8月12日(月)

BBC News

2024年8月12日

パリ・オリンピック(五輪)は最終日の11日、レスリングの男子フリースタイル65キロ級の清岡幸大郎と、女子76キロ級の鏡優翔が、ともに金メダルを獲得した。女子の最も重い階級で日本選手が金メダルを取ったのは初めて。レスリング日本勢の金メダル獲得は6日連続、計8個となった。大会はこの日、すべての日程を終了。日本は金メダルが20個で、アメリカ、中国に次ぐ3位だった。また、金メダル数とメダル総数の両方で、海外開催の五輪における日本最多記録を打ち立てた。

タックルから連続得点

男子フリースタイル65キロ級の清岡は、前日の1回戦を10ポイント差をつけるテクニカルスペリオリティーで危なげなく勝利。2回戦では2ポイント差を守り切り、準決勝は前半でリードされる展開となったものの、後半で逆転して5-1で勝った。

この日の決勝は、イランのラフマン・アモウザドハリリと対戦。前半、清岡は相手に場外に押し出され、1ポイントを先制される。

しかし前半残り35秒、清岡はタックルを仕掛け、背後を取って2ポイントを奪うと、そのまま寝技に移行。相手の体を連続して回転させてポイントを重ね、10-1として前半を終えた。

清岡は、あと1ポイント取れば10ポイント差のテクニカルスペリオリティー勝ちとなる状況で、後半も開始早々から攻めに出た。

しかし足を取りにいったところを相手に返され、清岡は2ポイントを奪われて10-3と差を縮められる。相手は逆転を狙ってなおも攻撃に仕掛けるが、清岡はこれをしのぎ、そのまま試合終了。清岡の金メダルが決まった。

清岡は試合後のインタビューで、「ここまで支えてきて下さった、自分に関わって声をかけて下さったみなさんに、この金メダルだけじゃ返し切れないと思うんですけど、(中略)少しでもこういう結果で恩を返すことができたのかなと思います」と話した。

また、「後半、開始から攻めて、テクニカルスペリオリティーで勝つつもりだったんですけど、そこまで簡単な相手ではないので、なかなか勝ち切らせてくれなかった。最初に気持ちで攻めてポイントを取ることができた」と決勝を振り返った。

銅メダルはプエルトリコのセバスチャン・C・リべラと、アルバニアのイスラム・ドゥダエフが勝ち取った。

「誰も成し遂げたことがないことをつかんだ」

女子76キロ級の鏡は、前日の1回戦2回戦準決勝と、いずれも3ポイント差以内の接戦を制した。準決勝は前半、0-2とリードを奪われたが、後半に相手の背後を取って回転させ、4-2と逆転勝ちした。

この日の決勝の相手は、アメリカのケネディ・アレクシス・ブレイズ。前半、ブレイズは消極的と判定され、鏡が1ポイントを先取。しかしその後、鏡が場外に押し出され、1-1の同点で折り返した。

後半も互角の組み合いが続いた。じりじりとした時間が流れるなか、鏡は一瞬のすきをついてタックル。相手を倒して2ポイントを奪取した。

鏡はそのままリードを保ち、3-1で試合終了。金メダルを獲得した。

鏡は試合後のインタビューで、「みんなが涙を流して喜んでくれたことが、一番の私の幸せです」と笑顔で話した。

女子76キロ級という最も重いクラスの金メダルを獲得したことについては、「本当にずっと目指してきた、誰も成し遂げたことがないことを、私がこの手でつかんだのは本当にうれしいですし、今までやってきた選択の答え合わせが、今ここでできたかなって思います」と述べた。

銅メダルはキューバのミライミ・デ・ラ・カリダド・マリン・ポトリルと、コロンビアのタティアナ・レンテリア・レンテリアが手にした。

日本勢メダル最多記録をつくる

今大会、日本勢は金メダルを計20個獲得。オーストラリア(18個)や開催国フランス(16個)を抑え、アメリカ、中国(ともに40個)に次いで3位だった。海外で開かれた五輪における、これまでの日本の最多金メダル記録は2004年アテネ五輪の16個で、それを塗り替えた。

金メダルの内訳は、レスリングが過去最多の8個、体操と柔道が各3個、スケートボードとフェンシングが各2個、ブレイキンと陸上が各1個だった。

日本のメダル総数は45個(銀12個、銅13個)で、2016年リオデジャネイロ五輪の41個を抜いて、他国開催の五輪の日本最多記録を更新した。総数の1位はアメリカ(126個)、2位は中国(91個)、3位はイギリス(65個)だった。

前回の東京五輪では、日本は金メダル27個を獲得し、メダル総数は58個だった。

(英語関連記事 Paris 2024 Olympics medal results

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c0k4vrz2767o


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