計4人の生徒と教員が死亡したアメリカ南部ジョージア州の高校での銃撃事件で、実行犯の母親が犯行当日に「極度の緊急事態」が起きていると学校側に警告し、息子の様子を確認するよう伝えていたと、米メディアが7日に報じた。
報道によると、実行犯の母親と祖母は事件の前に学校と連絡を取っていた。
米紙ワシントン・ポストは7日、実行犯の母親マーシー・グレイ氏が妹に送ったテキスト・メッセージの内容を報じた。
同紙が入手したテキスト・メッセージには、銃撃事件の日の朝に息子の様子を確認するよう学校関係者にお願いしたとある。
「私が高校のスクールカウンセラーに知らせた」、「極度の緊急事態が起きているので、すぐに(息子の)様子を見に行くよう(学校側に)頼んだ」と、母親は書いていた。
事件は、ジョージア州アトランタに近い、同州バロー郡ウィンダーのアパラチー高校で4日午前に起きた。生徒2人と教員2人が死亡し、9人が負傷した。銃撃を実行したコルト・グレイ被告(14)は4件の第1級殺人罪で訴追されている。当局は、14歳の被告を成人として扱う方針という。
ジョージア州の捜査当局は、実行犯の父親コリン・グレイ被告(54)についても、過失致死、第2級殺人2件の、児童虐待8件の罪で訴追している。
当局はコリン・グレイ被告が息子に半自動式ライフル銃「AR-15」を所持させたとしている。
コルト被告とコリン被告は6日に出廷したが、罪状認否は行われなかった。
8日には犠牲者の追悼集会が開かれ、アパラチー高校の外に花やろうそく、風船が手向けられた。
事件では、生徒のメイソン・シャーマーホーンさん(14)とクリスチャン・アングロさん(14)、教師のリチャード・アスピンウォールさん(39)とクリスティナ・イリミーさん(53)が殺害された。
事件の約30分前に学校に連絡か
ワシントン・ポストは、実行犯のおばのアニー・ブラウン氏から提供された複数のテキスト・メッセージと通話記録をもとに報道している。実行犯の母親は後に、これらの記録が本物だと同紙に認めた。
ブラウン氏は他の米メディアに対しても、テキスト・メッセージでのやり取りを認めた。
母親がなぜ学校に連絡したのか理由は明らかではないが、コルト被告から「ごめんなさい」というテキスト・メッセージが届いた後に学校に連絡したと、米CNNは8日に報じた。
通話記録では、母親が銃撃が始まる約30分前に学校に電話をかけていたことがわかる。
学校の管理者はコルト被告を探しに行った際、名前が似ている生徒がほかにいたため多少の混乱が生じたようだと、ワシントン・ポストは伝えている。
事件前日に祖母と教師が面会
事件当日とは別に、コルト被告の祖母が先週、学校関係者と話をしていたと、祖父チャーリー・ポルハムス氏はBBCがアメリカで提携するCBSニュースに語った。
「妻(コルト被告の祖母)は事件前日に学校に行き、(孫を)連れてくるために先生たちと会った。彼が学校に行かないので、先生たちはいくつかの問題を抱えていた」
この事件を操作するジョージア州捜査局にコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。
バロー郡の学校区も、今回の報道についてメディアにコメントしていない。
コルト被告のおばのブラウン氏は、同被告がこの数カ月間、メンタルヘルスの問題や家庭での困難に直面していたとワシントン・ポストに語った。
米連邦捜査局(FBI)は2023年5月、学校で銃撃事件を起こすという脅迫文がソーシャルメディア「ディスコード」に投稿されたことを受け、地元の保安官代理を派遣してグレイ親子を事情聴取していた。
当時13歳だったコルト被告は、自分のアカウントが繰り返しハッキングされたためアカウントを削除したのだとして、「自分はどこかの学校で乱射などしない」と「落ち着いて」保安官代理に話したのだと、FBIは4日明らかにした。
(英語記事 Georgia shooting suspect's mother warned school of 'emergency', US media reports)