中央政法委員会のトップだった周
2014年に入って開かれた大きな会議の1つは1月7~8日の中央政法工作会議であり、もう1つは同月13~15日の第18期中央規律検査委員会(中規委)第3回全体会議である。この2つの会議で習が重要講話を行っている。以下、『人民日報』が伝えたこの2つの会議での習の重要講話に関する記事から注目される部分を紹介する。
最初に中央政法工作会議である。政法とは司法、治安などの政治領域を指し、中央官庁で言えば司法部や公安部、国家安全部などが該当する。そしてこれらの官庁を統括する上部組織として党中央内に中央政法委員会がある。中央政法委員会は、司法への関与、公安部隊の動員、取り締まり、高官を含めた幹部の機密情報へのアクセスなどを可能とする巨大な政治権力を有している。2007年から2012年までそのトップである書記を務めていたのが周であった。
異例の中央政法工作会議
中央政法工作会議は党中央主催の政法工作に関する会議である。習近平は重要講話で次のように言及している。
「政法戦線は旗幟を鮮明にし、党の指導を堅持しなければならない」
「政法工作に対する党の指導に動揺はなく、政法工作に対する指導を強化、改善しなければならない」
「われわれの政法隊伍の主流はすばらしい。党の指揮に従い、人民に奉仕し、激戦を戦い、犠牲を恐れない隊伍であり、党と人民が完全に信頼できる頑強な戦闘力を有する」
「理想信念の教育を政治隊伍建設の第一に置き、たえず旗幟を高く抱え、党の指揮に従い、使命に忠誠を尽くすという思想的基礎をしっかりと打ち建て、党の事業至上、人民の利益至上、憲法法律至上とすることを堅持し、党に忠実で、国家に忠実で、人民に忠実で、法律に忠実という政治の本来の姿を永遠に保たなければならない」
「政治隊伍があえて責任を負い、悪しき風潮に直面するには、あえて剣を見せて断固闘争し、絶対に任せっきりにすることはできない」
党中央が政法工作を指示、確認する会議は通常中央政法委員会全体会議である。そのため中央政法工作会議の開催は極めて異例と言わざるを得ない。筆者自身も記憶にない。しかも習の重要講話の内容が意味深である。
1つは政法工作に対する「党の指導」を繰り返し、何よりも優先して強調している点である。これはこれまで「党」ではないものの指導が優先されていたことを示唆している。