その場合、日本国内で、中国に対するには防衛力強化として、核武装論が台頭してくる可能性があることに留意すべきだ。
「フクシマには3000年住めない」
ともあれ世界、日本はトランプというすこぶる型破りな大統領と対峙、協調していかなければならない。その常識外れの言動は枚挙にいとまがない。
最近では9月に行われた大統領選TV討論で、「移民がペットを食べている」という発言が非難を巻き起こした。名指しされたオハイオ州のハイチ系移民は怒り心頭だが、誤解、事実歪曲の標的にされた中には日本も含まれている。
今年10月、米電気自動車(EV)大手テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏と対談した際、福島第一原発の事故に触れ「原子力は脅威だ。福島には3000年間、人が住めない」とでたらめを吹聴した。風評被害を払拭しようと懸命な福島の農水産業者、県民の努力を嘲る言動だが、不可解なことに日本政府が抗議した形跡は見られない。
首相は率直にモノ言える関係築け
石破茂首相は7日午前、トランプ氏と電話で協議、祝意を伝えた。会談時間は5分と伝えられる(NHKニュース防災サイト)が超短時間で何を語ったのか。
時間の長短にこだわるのはばかげたことだが、通訳はさんでいただろうことを考えれば「おめでとうございます」「ありがとうございます」で終わってしまっただろう。
故安倍晋三元首相は、トランプ氏が初当然したちょうど8年前の11月、ペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会義の途次、ニューヨークのトランプタワーを訪問、氏と会談した。
他国の首脳が模様眺めの時、いち早く駆けつけてくれたことを多としたのか、トランプ大大統領は在任中、日本に対する強硬な政策を控えた。
元首相の思惑が的中した結果だが、半面、良好な両者の関係に対して「(安倍氏の)へつらい」(タイム誌、2017年2月11日号)と揶揄する指摘があったのも事実だ。
石破首相は今月中にブラジルで開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)出席を機会に米国に立ち寄り、トランプ氏と会談したい意向と伝えられる。実現した場合、ウマが合うか両首脳が互いに感触を探りあうことになろうが、モノ言うべきときは率直にこちらの考えを伝えるべきだろう。
石破首相は「本音で話ができると感じた」とトランプ氏の印象を語ったが、信頼関係の構築は簡単ではないだろう。大変な人物が返り咲いたものだというほかはない。