2024年4月22日(月)

喧嘩の作法

2014年3月20日

 これは公平な場を提供して当事者の決闘にまかせるというアメリカ的な方法である。多くの場合はそこで解決する。しない場合は、次のステップのトライアルに進むが、これは素人の陪審員が特許技術の判断をするので信頼性は低い。

 これらを理解しておくことがアメリカで知財訴訟をするコツである。うまくやるには普段からディスカバリの準備をしておくことが役に立つ。ディスカバリは短い時間で対応するうえ、日本語資料というハンデもある。自分の資料がどうなっているか分からないようでは話にならないが、専門家をいれて準備しておけば、当事者間の決闘のとき有利になる。

 日本の知財訴訟での和解率は40%~50%である。日本企業は知的財産協会などのネットワークを通じて紛争を当事者で事前に解決できることが多いのだが、そもそも訴訟までゆくのは厄介な案件であり、当事者で解決できないから裁判所に判断を預けるのだという気持ちがあるため、和解率が低くなっていると思う。

 中国やアメリカなど世界で知財訴訟が多いのは、当事者の事前交渉ネットワークがないため、まず訴えてから交渉するのが普通だからである。そのため訴訟件数は多いものの途中での和解も多い。

 日本企業が自社の権利を世界で生かすには、知財訴訟をもっと利用すべきである。これは、右手で剣をふりかざしながら左手で握手を求めるようなものである。

 剣をふりかざしたとしても、最後までゆく必要はない。どのようにして和解にもってゆくか、上手くやるには普段から作戦の一つとして準備しておくことである。

◆WEDGE2014年3月号より









 

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