2025年12月6日(土)

食の「危険」情報の真実

2025年2月19日

 この事案で思ったのだが、給食で残ったご飯を冷凍保存したうえで寄付するなどの活用はできないものだろうか。急速凍結できる冷凍庫などの設備投資が必要となるためすぐには無理だろうが、調理済みの食品を保存し無駄なく食べきるにはいい方法だとは感じる。

残さず食べきる工夫考えて

 環境省が15年に実施した調査によれば、13年度における学校給食の残食率は平均6.9%と報告されている。10年以上前の調査なので今はもっと少ないかもしれないが、学校給食の実施に伴う食品廃棄物は継続的に発生していることは事実で、給食での食品ロス削減は大きな課題でもある。

 学校給食の食品ロスを減らすには、まずは残さず食べることが大切だ。千葉県市川市が実施した取り組みで、給食作りに携わる人などについて学び、「食べきりの歌」を校内放送で流すなどしたところ、約4割の児童が以前に比べ「食べ残しが減った」と回答したという。

 また、別の自治体の調査で、給食時間をしっかり確保するようにしたことで食べ残しが減ったという報告もある。学校給食は教育的側面もあるため通常の食事と同じというわけにはいかないが、まだまだできることはありそうだ。

 京都市の小学校で起きていたことは法律的にも良くないことだが、調理員らを処分したことで食品ロスをはじめとした給食に関する問題が解決することにはならないだろう。これを機会に給食の食べ残しをどうやって減らすか、残った食品の処理をどうするのか、それぞれの学校で何ができるか考えてほしい。

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