2025年3月20日(木)

BBC News

2025年3月17日

米大統領専用機「エアフォース・ワン」の機内で記者団の質問に答えるドナルド・トランプ大統領(16日)

アメリカのドナルド・トランプ大統領は16日夜、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と18日に電話で協議する予定だと話した。

大統領専用機「エアフォースワン」の機内で記者団の取材に応じたトランプ大統領は、先週末に「多くの作業」を行っており、18日に「何か発表できるか」確認することになると述べた。

アメリカとウクライナは先週、ロシアに30日間の停戦を提案することで合意した。プーチン氏は停戦を支持すると述べているが、和平実現への厳しい条件も示している

プーチン大統領との協議についてトランプ大統領は、「土地について話すことになると思う。戦争前とは大きく異なる。発電所についても話すことになるだろう。それは大きな問題だ」と述べた。

また、「ウクライナとロシアの双方で既に多くのことが議論されていると思う。特定の資産を分割することについても話し合っている」とも語った。

そして、「この戦争を終わらせることができるかどうかを見たい。できるかもしれないし、できないかもしれないが、非常に良いチャンスだと思う」

米特使はロシア占領地について語らず

一方、アメリカのスティーヴ・ウィトコフ中東担当特使もこの日、「両大統領の電話協議が今週行われる」、「両大統領は今週、非常に前向きでよい協議をすると思う」と米CNNに語った。同特使は13日にモスクワでプーチン氏と会談している

ウィトコフ特使は、アメリカの交渉チームが今週、ウクライナとロシアの両方の交渉チームと会合をもつ予定だと説明。そのうえで、「数週間のうちに」合意に達するだろうとの見方を示し、「何らかの進展が見られることを強く期待している」とした。

ウィトコフ特使はまた、「私たちはウクライナ側とも関わっており、対話を続けている」、「私たちの考えすべてについて(ウクライナ側に)助言している」と述べた。

トランプ氏は昨年の大統領選で、新政権を発足させれば「初日」に戦争を終結させるとする公約を繰り返した。

大統領に就任すると、1カ月もたたないうちに、プーチン氏と90分間にわたったとされる電話協議を行った。両首脳は、戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することを話し合ったとされる。

16日のCNNのインタビューでウィトコフ特使は、ロシアが占拠しているウクライナの土地の取引についての質問には答えなかった。ロシアは現在、ウクライナ領土の約5分の1を掌握している。

同特使は、トランプ氏が外交に積極的に関与していると説明。一例として、同特使とプーチン氏の13日の会談が終わって「5分から10分のうちに」、同特使は米大使館に戻り、トランプ氏とJ・D・ヴァンス米副大統領、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官、マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に報告したことを挙げた。

そして、「つまり大統領は、起きていることすべてについてリアルタイムで最新情報を得ており、重要な決定すべてに関わっている」と述べた。

ロシア側はNATOのウクライナ加盟拒否を要求

こうしたなか、ロシアのアレクサンデル・グルシュコ外務次官は16日、停戦の合意条件として、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナの加盟を拒否することと、同国が中立を維持することの保証を求めた。

グルシュコ氏はロシア紙イズベスチヤに、「私たちはこの合意の一部として、鉄壁の安全保障の保証を要求する」と説明。

「保証の一部には、ウクライナの中立的な地位と、NATO諸国がウクライナを同盟に受け入れることを拒否することが含まれるべきだ」とした。

停戦をめぐっては、ロシアの西部クルスク州が焦点の一つとなっている。ウクライナ軍は昨年8月に同州に攻め入り、一部の領土を占領した。

プーチン大統領は先に、ロシアがクルスク州を完全に奪還したと主張し、ウクライナ軍が「孤立している」と述べている。

また、ウクライナ東部の最前線で停戦を監視・維持する方法についても、プーチン氏は数多くの疑問を投げかけている。

(英語記事 Trump and Putin to hold call on ceasefire deal soon, US envoy says/Peace deal must bar Ukraine from Nato, Russian official says/Trump says he and Putin will discuss 'land and power plants' in Tuesday's Ukraine talks

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cvg50p0yv40o


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