2025年3月20日(木)

BBC News

2025年3月17日

イギリスのキア・スターマー首相

イギリスのキア・スターマー首相は15日、ウクライナでの停戦を守るための軍事的な計画が「運用段階」に移行していると述べた。29カ国の指導者らとのオンライン会議後の記者会見で発表した。

スターマー首相によると、各国の軍事トップらが20日にロンドンで会合し、「和平合意を支援し、ウクライナの将来の安全保障を保証するための強力で堅固な計画を立てる」予定だという。

この会合は、アメリカとウクライナが先週、ロシアに30日間の停戦を提案することで合意したことを受けたもの。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は停戦を支持すると述べているが、和平実現への厳しい条件も示している

15日の会議には、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)、欧州の約20カ国に加え、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが参加した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も参加し、「ただの話し合いではなく、積極的な圧力が必要だ」と述べた。

「世界は、ロシアが平和を妨げる唯一の障害であることを理解しなければならない」と、ゼレンスキー大統領は語った。

「平和への道は無条件に始まらなければならない。ロシアがこれを望まないなら、そう望むまで強い圧力をかける必要がある。ロシアは一つの言語しか理解しない」

ゼレンスキー氏は欧州諸国に対し、できるだけ早く自国で武器を生産するとともに、アメリカおよびドナルド・トランプ大統領と協議し、「全面的な制裁、強力な圧力、そしてロシアに和平を強制すること」で迅速に合意に達するよう促した。

「有志連合」、日本からも支持とスターマー氏

ビデオ会議後の会見でスターマー氏は、「世界は空虚な言葉や条件ではなく、行動を必要としている」と述べた。

また声明で、「停戦提案に対するクレムリン(ロシア大統領府)の優柔不断さと遅さ、そしてウクライナへの継続的な攻撃は、プーチン大統領が表明した和平への願望に完全に反している」と指摘した。

スターマー氏によると、会議では、プーチン氏が「即時かつ無条件の停戦」を拒否した場合、「圧力を強化してプーチンを交渉のテーブルに引き込む必要がある」ことで合意した。

「これの実現に向けて、我々は軍事支援を加速し、ロシアの収益に対する制裁を強化し、ロシアがウクライナに与えた損害の代償を支払わせるため、すべての合法的な手段を模索し続ける」と、声明は述べている。

また、20日に開催される予定の会合についてスターマー氏は、ウクライナを支援するための「実践的な計画」を進める予定だとした。

「我々はウクライナの防衛力と軍隊を強化し、和平合意が成立した場合には『有志連合』として展開し、陸海空でウクライナの安全を確保する準備を整える」と、声明は述べている。

スターマー氏は今月初め、停戦を守るための「有志連合」を提唱。15日にはこの連合が拡大し、日本などからも支持を得ていると述べた。

スターマー氏は以前、和平合意の一環としてウクライナの安全を保証するためにイギリス軍を派遣する準備があるとしていた。一方で、他のヨーロッパ諸国に具体的な安全保障の保証を求め、アメリカの「バックアップ」が必要だと述べた。

会議後の記者会見でゼレンスキー氏は、停戦後に何らかの形で「地上部隊」が必要だと述べたが、一部には「懐疑的な意見」もあると認めた。

フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領は、会議後に出演したBBCの番組「サンデー・ウィズ・ローラ・クンスバーグ」で、いかなる安全保障の保証の一環としても、地上部隊の派遣について話すのは「時期尚早」だと述べた。

ストゥブ大統領は、フィンランドが和平合意を守る努力の一部になることを望んでいるものの、「停戦も和平プロセスもないなかで地上部隊について話すのは早すぎる。明確な計画ができたら、コミットメントを開始する」と述べた。

また、「支援する方法はゼロから50まであり、地上部隊はその一つに過ぎない」とした。

ロシアは2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始した。

(英語記事 Military planning for Ukraine peace to begin, says Starmer

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c8j0kx4p0mjo


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