2025年3月26日(水)

BBC News

2025年3月22日

卵の購入数を制限すると知らせる食料品店の張り紙

アメリカで卵の値段がかつてないほど高騰している事態を受け、トランプ政権はトルコと韓国から卵を輸入しようとしているほか、他の国々とも協議をしている。当局が認めた。

「短期的には、数億個単位の話をしている」とブルック・ロリンズ農務長官はホワイトハウスで記者団に話した。

ロリンズ長官は、卵を確保するため、トルコと韓国のほかにも複数の国と協議中だと述べたが、具体的には明らかにしなかった。

「鶏の個体数が回復し、卵産業ができれば数カ月以内に復活すれば、国内の業者に戻り、国内産の卵を店先に並べることになる」と、長官は話した。

AFP通信によると、ポーランドとリトアニアの養鶏協会は21日、卵の輸出の可能性についてアメリカ大使館から接触があったと明らかにした。

「2月にワルシャワのアメリカ大使館が、ポーランドがアメリカ市場への卵輸出に関心があるかどうか、私たちに訪ねてきた」とポーランド国立養鶏飼料生産者会議所のカタルジナ・ガヴロンスカ理事長は、AFPに話した。

アメリカでは鳥インフルエンザの感染拡大のため、養鶏業者が数千万羽の鶏の殺処分に追い込まれた。政府は、感染対策として10億ドル規模の計画を発表しており、卵の大量輸入もその一環の措置。

米農務省は2月、卵の価格対策に向け、総額10億ドルの5項目計画を発表した。この計画では、病原体に対する安全対策に5億ドル、ワクチン研究開発に約1億ドル、農家への財政支援プログラムに4億ドルの予算が充てられている。

トランプ政権は、商業用鶏卵農場に成功事例の説明やコンサルティングを無料で提供し、鳥インフルエンザの対策費用の最大75%を負担すると発表した。

「鶏卵会社が鶏舎を安全に管理できるよう、農務省として支援するため、全国的な監査に多額の資金を投じる事業」を開始したとロリンズ長官は説明。「開始以来、鳥インフルエンザが大幅に減少しているのが最近わかった」とも述べた。

鳥インフルエンザ(H5N1)はかねてアメリカの家禽(かきん)の間で流行していたものの、2022年に流行が始まり、農家は壊滅的な被害を受けた。1億5600万羽以上の鳥が死亡し、卵の価格が急騰した。

昨年の大統領選では、生活必需品の価格高騰に対する有権者の不満を利用しようとしたドナルド・トランプ氏は、卵の価格を重要争点にして取り上げた。

トランプ氏は大統領選の最中に、卵の価格を下げると公約した。しかし、卵の価格は過去1年間で65%以上急騰しており、 2025年には41%上昇すると予測されている。

トランプ大統領は今月初めの連邦議会演説で、 「ジョー・バイデンは特に、卵の価格を制御不能にしてしまった。我々は価格を下げるために懸命に取り組んでいる」と述べるなど、卵価格の高騰をバイデン前大統領のせいだと主張した。

バイデン政権は鳥インフルエンザの発生を受け、産卵鶏数百万羽の殺処分を指示した。これによって卵の価格は上昇したが、トランプ政権になっても価格は上昇を続けている。

(英語記事 US to import millions of eggs from Turkey and South Korea to ease prices

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c20djkmgppgo


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