2025年4月13日(日)

BBC News

2025年4月5日

解任されたハウ国家安全保障局長。制服に勲章を付けた白髪の白人男性

トランプ米政権は4日までに、国防総省傘下の国家安全保障局(NSA)と米サイバー軍を率いるティモシー・ハウ空軍将軍とウェンディー・ノーブルNSA副局長を解任した。BBCがアメリカで提携するCBSが報じた。トランプ政権は、NSAとホワイトハウスの安全保障担当高官を次々と解任しており、その一環とみられる。

政権はこのほか3日までに、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の関係者を少なくとも3人解任していている。ハウ局長とノーブル副局長の解任が、NSCでの幹部解任と関係があるかどうかは不明。

野党・民主党は、こうした動きを懸念し、国家安全保障を危険にさらすものだと述べている。 ハウ将軍の解任理由は明らかではないが、2日にドナルド・トランプ大統領と極右活動家ローラ・ルーマー氏がホワイトハウスで会談した後に起きた。

ルーマー氏はトランプ氏に対し、大統領の政策を支持していないと疑われる特定のスタッフの解任を促したと報じられている。同氏はソーシャルメディア「X」に、解任が伝えらえたハウ将軍と副官のウェンディ・ノーブル副長官が、「トランプ大統領に不誠実だった。それが解雇理由だ」と投稿した。

一方、トランプ大統領は、ルーマー氏が解任に関与したのではないと主張している。

ハウ将軍らの解任が報じられる前、トランプ大統領は記者団に対し、不忠誠とみなされる職員は解雇すると話していた。

NSAはBBCの取材に対し、国防長官広報室に問い合わせるよう回答。同室は4日、局長解任の報道は見ているものの、現時点では何もコメントできないとして、詳細が分かり次第提供すると述べた。

NSAは国防総省傘下で、対テロ情報収集などのため、世界各地の通信傍受を担う。

連邦議会上下両院の情報委員会の民主党筆頭議員、マーク・ワーナー上院議員(ヴァージニア州選出)とジム・ハイムズ下院議員(コネチカット州)が、CBSに対しハウ将軍の解任を明らかにした。

CBSによると、ハイムズ議員は声明で、この決定に「深く困惑している」と述べた。

「ハウ将軍は、法律を順守し、国家の安全保障を最優先する正直で率直な指導者だ。まさにその資質こそ、現政権による解任につながり得るのではないかと懸念している」とハイムズ議員は述べた。

トランプ政権については3月末、政府幹部がイエメン空爆に関する情報のやり取りを民間アプリ「シグナル」で行い、不用意にジャーナリストを招いていたことが明らかになり、大きな問題になっている。今回のNSCスタッフ解任が、それとどう関係しているかは不明。

トランプ氏はこれまで、この問題に関係した政府幹部を擁護してきた。「シグナル」でのチャットに米誌アトランティックの編集長を誤って追加した、マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、不用意な事故だったと説明している。

CBSが事情に詳しい消息筋の話として伝えたところによると、シグナルの件をきっかけに、トランプ大統領に十分同調しないスタッフの存在が精査されるようになったほか、ルーマー氏が大統領のもとを訪れたことで、NSCスタッフ解任が決まったのだという。

(英語記事 White House fires National Security Agency chief

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c3ev327e7d1o


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