
肺炎のため5週間にわたり入院していたキリスト教カトリック教会のフランシスコ教皇(88)は6日、退院後初めてヴァチカンのサン・ピエトロ広場に現れ、集まっていた人たちにあいさつした。2月14日に入院した教皇は、3月23日に退院していた。
教皇は広場で行われた「病者と医療界のための聖年」の記念ミサに出席。鼻に酸素の管を入れた状態で、車いすで広場に現れ、ステージに短時間上がった。歓声を上げる群衆に手を振りながら、教皇は「皆さん、こんにちは」、「皆さん、楽しい日曜日をお過ごしください。どうもありがとう」と述べた。
教皇庁は、4日の時点で教皇の健康状態は改善していると発表。教皇は職務を続けており、「元気」だとした。呼吸、動作、発話の状態がやや改善されているほか、最近の血液検査では、肺の感染症もやや改善していることが確認されたという。
酸素補給の量は減っているものの、日中は酸素補給を続けている。夜間は必要に応じて、鼻からの高流量酸素療法を受けているという。
教皇は3月23日にローマの病院から退院した際、窓際のバルコニーから姿を現して、病院前に集まっていた人たちを祝福していた。医師団は当時、退院後は少なくとも2カ月の休養が必要だと話していた。
教皇は入院中に2回にわたり重篤な状態になり、「命が危険にさらされた」と、医師が明らかにしている。
教皇はこれまで、さまざまな健康問題に悩まされてきた。21歳の時に片方の肺の一部を切除したため、感染症にかかりやすくなっている。アルゼンチン出身のフランシスコ教皇は2013年3月に選出された。