2025年12月5日(金)

日本のコンテンツ

2025年5月24日

 同コミック営業部の上ケ市亜矢氏は「今、世界中で日本のマンガが注目を集めているが、どの作品が人気かは地域や年代によっても差がある。幅広い作品を載せることで、より多くの方が目にとめてくれたら」と話す。

絵と文字だからこその効用

駅では広告を一冊にまとめたリーフレットも配布している(WEDGE)

 平日の昼過ぎ、JR東京駅のコンコースで写真を撮っていたのは、フランス人のハムディさん(48歳)。レンズに収めたのは『AKIRA』が描かれた広告だった。「フランスでは少し古い1980年代の作品がアニメで放映されていて人気がある。新しい作品のグッズなどは日本で色々と見かけたが、『AKIRA』は珍しかったので写真を撮った」という。また、「知っているキャラクターだったから、何が書いてあるのか気になった。『AKIRA』のおかげで、『日本は左側通行』というマナーを覚えられた」と笑顔で話した。

 2024年の訪日外国人旅行者数はコロナ前を上回り過去最高の3678万人となった。その半面、一部地域では日本の習慣やマナーに疎い外国人によるトラブルも目立つ。こうした問題に、現地で「文字」や「音声」によって注意喚起を行うには限界もある。マンガやアニメは、外国人の興味を引くだけでなく、「絵」によって伝えたいことを視覚的にも表現できる良質なツールになり得る。今後は〝娯楽〟として楽しんでもらうだけでなく、お互いが快適に過ごせるような〝通訳〟としての機能にも期待できるかもしれない。

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Wedge 2025年6月号より
日本のコンテンツが世界へ羽ばたく時
日本のコンテンツが世界へ羽ばたく時

日本のマンガやアニメに向けられる視線が熱くなっている。世界での熱狂を背に、政府は「新たなクールジャパン戦略」として、コンテンツ産業を中核にすえた〝リブート(再起動)版〟を示した。ただ、人々を魅了するコンテンツはお金をかければ生まれるものではない。今度こそ「基幹産業」として飛躍するために、必要な戦略を探ろう。


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