2025年5月13日(火)

Wedge REPORT

2025年5月1日

 紆余曲折を経て、大阪・関西万博が4月13日、ついに開幕した。開催による経済波及効果は2兆円とも3兆円ともいわれ、地盤沈下が続いていた関西経済の起爆剤としての期待から、1970年大阪万博以来55年ぶりの開催は地元経済界の悲願だった。

(Mirko Kuzmanovic/gettyimages)

 関西経済は、米国のトランプ政権の関税政策の影響などで先行きに不透明感はあるが、インバウンドの活況が続き、中心地・梅田で大規模再開発が進むなど好調ぶりが目立っている。経済の再生と成長を確かなものにするため、まずは万博を成功させ、万博会場と同じ夢洲(大阪市)で計画されるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)まで勢いを持続させる必要がある。

増加傾向の来場者数

 万博開幕日、朝からの冷たい雨は開門の午前9時にぴたりと止み、どんよりとした雲の隙間に青空ものぞいた。オフィシャルテーマソング「この地球(ほし)の続きを」の生演奏が流れる中、ファンらが続々と入場。大阪府の吉村洋文知事や、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)ら関西の政財界のトップが笑顔と拍手で出迎えていた。

 初日の入場者数は午後からの豪雨もあり、事前予約を2万人下回る11万9000人だった。開幕2、3日目は初日から半減して不安視されたが、その後は増加傾向となり、開幕11日目の4月23日、スタッフを含めた来場者数は100万人を超えた。

 万博は10月13日までの会期中に計約2820万人の来場を見込む。運営費の大半は入場券収入でまかなうことになっていて、赤字になるかならないかの損益分岐点は1840万枚に設定されている。開幕前の前売り販売数は目標の1400万枚に届かず、970万枚だった。

 関経連会長の松本氏は開幕後、4月15日の定例会見で、万博の成否について「単純に、万博に来られる方の人数でまずは評価される」と言及。「1500万人しか来なかったら失敗だったといわれる。2820万人来たらオッケーで、それ以上ならよくやった、となる」と語った。


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