子どもがいる親にとって、〝昼食の悩み〟を抱え続けていた夏休みが終わった。新学期に入り給食の有難さを実感するようになっている家庭も多いかもしれないが、その給食についても、最近では問題が散発している。
子どもたちの健康や成長を支えている給食に何が起きているのか。問題の本質をとらえた記事を振り返る。
<目次>
・「食品添加物は危険なもの」…学校給食関係者の懸念は払拭できるか?衛生管理基準の見直しで広がる期待(2025/08/04)
・学校給食で子どもたちが「から揚げ」すら食べれなくなる日…参政党「給食の有機食材使用義務化」は実行可能か?(2025/07/18)
・消費者の「食の不安」を政治利用する参政党、れいわ…野党の政策が非科学的であるこれだけの理由!与党が今、すべきこととは?(2025/07/16)
・今の小学生はデザートを食べられない?ロシア・ウクライナ戦争が及ぼす、学校給食への「静かな危機」(2024/03/28)
・このままでは日本の学校給食制度は破綻する!残った食材でまかないを作った調理員処分に思うこと、食品ロスはなぜ発生するのか?(2025/02/13 )
「食品添加物は危険なもの」…学校給食関係者の懸念は払拭できるか?衛生管理基準の見直しで広がる期待
食品の科学者から「この文言が食品添加物の正しい理解を妨げている」と長年にわたって言われてきた学校給食の衛生管理基準が文部科学省によってようやく見直されることになりそうだ。その裏には内閣府食品安全委員会や消費者庁の熱意ある努力もあった。
今も食品添加物を不安視する人は依然として多いだけに、今後、文科省がどんな見直しをするのか注視していきたい。
これまでたびたび問題視されてきたのは、文部科学省所管の学校給食法に基づく「学校給食衛生管理基準」。この基準は、学校給食の適切な衛生管理に必要な事項を定めたもので、2009年4月に施行された。その基準の中で疑問視されてきたのが「食品の選定」と題して記された以下の事項だ……
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学校給食で子どもたちが「から揚げ」すら食べれなくなる日…参政党「給食の有機食材使用義務化」は実行可能か?
20日投票の参議院議員選挙で、これまでニッチな存在と見られていた参政党が、既存政党への不満を背景にその勢力を急拡大させている。参政党の数ある公約の中で、特に子育て世代を惹きつけているのが食に関する項目だ。ただ、実効性を考えればこの公約は選挙のためのプロパガンダとしか思えない。
参政党は、食の安全と食育の推進のため、「給食の有機食材使用義務化を加速」を公約に掲げている。給食の有機食材使用については、これまでも日本共産党や立憲民主党が国会で導入を求めている他、超党派議員でつくる「オーガニック給食を全国に実現する議員連盟」で自民党議員も顧問や共同代表に名を連ねており、参政党だけに特化した政策というわけではない。
また、有機栽培をめぐっては、国も「みどりの食料システム戦略」で農地拡大を進めている。それだけに、給食での有機農産物推奨は一見、何の問題もないと思うかもしれない……
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消費者の「食の不安」を政治利用する参政党、れいわ…野党の政策が非科学的であるこれだけの理由!与党が今、すべきこととは?
日本の食品安全は世界最高水準の科学的基盤を有しているにもかかわらず、消費者の不安は大きい。参院選向けに発表された各政党の政策を見ると、一部の政党がこの「不安のギャップ」を政治的に利用し、科学的に根拠のない政策を提案している実態が見えてくる。これらの政策は、科学に対する国民の信頼を損ない、真の公衆衛生と科学的リテラシーの向上に逆行するものである。
れいわ新選組は、マニフェストにおいて「農薬・添加物の規制強化」を掲げている。
この政策は、現行の規制が不十分であるという誤った前提に基づいている。現在の規制は2003年に制定された食品安全基本法に基づいている。その核心は、科学的独立性と客観性を確保するために、「リスク評価」と「リスク管理」の分離原則を導入した点にある。
リスク評価(食品健康影響評価)は、内閣府に設置された独立機関である食品安全委員会が担当し、リスク管理は、厚生労働省や農林水産省といった行政機関が担当する。食品安全基本法第12条(施策の策定)には「食品健康影響評価が行われたときは、その結果に基づいて、これが行われなければならない」と書かれている。リスク管理措置が政治的圧力に左右されることを防ぐための条文である。食品安全委員会が残留農薬についても食品添加物についても、科学的根拠に基づいてリスク評価を行い、これに基づいてリスク管理機関が厳しい規制を実施しているのだ……
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今の小学生はデザートを食べられない?ロシア・ウクライナ戦争が及ぼす、学校給食への「静かな危機」
一口噛むと、ごま油で炒めたシャキシャキとしたレタスが小気味よく響く。小誌記者が頂いた静岡県袋井市の学校給食には、袋井市内の農作物がふんだんに使われていておいしく、思わず顔がほころんだ。
「ミルメークが出た」、「ヨークというのむヨーグルトがあった」──。学校給食の話題は大人同士でも思い出話として盛り上がることが多い。文部科学省による令和3年度学校給食実施状況等調査では、国公私立学校における学校給食の実施率は95.6%に上る。
あまり知られていないが、学校給食の歴史は古い。1889年に山形県鶴岡町(現・鶴岡市)の小学校で、生活が苦しい家庭の子どもたちに無償で昼食を用意したことがその始まりとされる。その後各地に広がり、1954年に学校給食法が成立。長期にわたり子どもたちの成長を支え続けてきた。
そんな学校給食がいま、〝静かな危機〟に直面している。ロシア・ウクライナ戦争による物価高の影響で、学校給食の中身に変化が見られるからだ……
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このままでは日本の学校給食制度は破綻する!残った食材でまかないを作った調理員処分に思うこと、食品ロスはなぜ発生するのか?
1985年(昭和60年)4月、筆者は産休補充講師として初めて教職に就いた。働くこと自体が初めてで毎日が緊張の連続であったが、担任となった小学校2年生の子ども達がなんとも言えず可愛くて、とにかくがむしゃらに仕事に向き合った。
余りに一生懸命に見えたのか先輩の先生方に「そんなに根詰めては倒れちゃうよ。少しは休みなさい」と心配されたが、若干23歳の新米教師はただ闇雲に体を動かしていただけで体の疲れなど感じず、夜の9時10時まで学校にいることは当たり前だった。
そんな筆者が唯一楽しみだったのは、放課後に校務員さんが作ってくれるおにぎりであった。ほぼ毎日、校務員さんは給食で残ったご飯でおにぎりをいくつも作ってはダルマストーブの上で焼いてくれた……
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