2025年12月5日(金)

Wedge OPINION

2025年10月5日

 斎藤氏は石破茂首相の退陣表明の直後、連立を維持するための条件として「我々の理念にあった方でないと連立を組むことはできない」と述べ、高市氏への警戒感を示していた。公明党が実際に高市内閣との連立を拒否する可能性は薄いとしても、自民、公明両党の関係が今後、円滑さを欠くことは予想される。

靖国参拝など難しい決断

 公明党が懸念する靖国参拝について高市氏は、昨年の総裁選で、首相になってからも続けることを明言していたが、今年は「適時適切に判断したい」(総裁選出後の記者会見)と慎重姿勢に転じた。

 参拝すれば公明党だけでなく野党各党、近隣諸国に加えアメリカの反発を受けるのは避けられず、見送れば国内の保守派を失望させる。難しい決断だ。

 高市新総裁が〝自己改革〟に成功し支持のすそ野を広げて、次期総選挙を勝利に導くことができれば、元来極めて有能な政治家であるだけに、安定政権も視野に入ってくるだろう。

 氏はこれまで、世論調査での好感度では常にトップクラスに名を連ねていたとはいえ、正反対の結果もある。一部調査では「首相になってほしい政治家」の第2位ランクされ、さすがと思わせたが、同じ調査の「なってほしくない政治家」でもトップだった(週刊女性PRIME)。支持、不支持相半ばする現実を高市氏自身よく認識、かみしめるべきだろう。

 新総裁は週明け6日に幹事長など党役員を決め、15日にも召集される臨時国会で首相に指名されれば、高市内閣が発足する。

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