2025年12月6日(土)

田部康喜のTV読本

2025年11月1日

現実世界から再び戻されるアリスとウサギ

 Season2の最後のゲームに勝ったアリスやウサギら生き残った者たちに、「わが国の国民を得るかどうか」つまり今際の国の住人として暮らすかの選択権が与えられる。

 Season3は、アリスとウサギはじめ国民になることを拒否した者に対する、国民として残った者からの挑戦である。Season2のラストシーンで、アリスたちは現実の病院のベッドで目を覚ます。彼らがゲームを闘っていたと思っていた長い時間は実は、1分程度だった。つまり、彼らは巨大な事故によって「臨死体験」をしたのだった。

(Netflixシリーズ『今際の国のアリス』独占配信中)

 目覚めた彼らは、ともにゲームを闘った一員同士でも、病院ですれ違ったり病床に横たわったりしている人物を見ても、誰かわからなかった。

 ラストシーンの病院の中庭のテーブルの上におかれた「joker」のカードが、season3の伏線となる。

 今際の国民になることを選んだ、バンダ(盤田素那斗・役名、磯村勇斗)がゲームの強い相手がいなくなって、ヤバ(矢場旺希・役名、毎熊克哉)とともに、さまざまなゲームを勝ち抜いたアリスをこちらの国民に呼び寄せようと企む。

 そのために、今では大学院生でアリスの妻となっている、ウサギを利用することにしたのだった。ウサギは、失踪した父に会いたい気持ちをアリスに隠していた。今際の国に行っても探し出したいと考えていたのだった。

 「臨死体験」を研究している、大学の助教・リュウジ(松山隆二・役名、賀来賢人)を利用して、彼とともにウサギ(土屋)をまず今際の国に誘い込む。

 アリスは、警視庁鑑識課のアン(三吉彩花)の力を借りてウサギを追って、またあの国に舞い戻る。

 season3のゲーム名もまた「おみくじ」「ゾンビ狩り」「かんけり」……など名称自体は単純である。しかし、再び死闘が繰り広げられる。

 今回の見せ場は、アリスとウサギが別々に今際の国に入ったがために、合流するまで「アリスチーム」と「ウサギチーム」と別れてゲームを闘うところにある。

 さて、ふたりはともに現世に戻ることができるだろうか。


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