2025年12月15日(月)

モノ語り。

2025年11月9日

「たまご屋」としてのプライド

「オリーブオイルのマヨネーズ」と、 筆者が調理した海鮮たたきのマヨネーズあえ

 オリジナルデザインという瓶詰の容器も高級感を出すことに一役買っています。前田さんの話から感じられるのは、「たまご屋」のプライドです。

 「たまごの質には、エサが直結しています。ここに一切の手抜きはありません。このところのインフレでエサ代は2倍になっていますが、なんとか踏ん張っています。

 今のような夏場には魚粉も配合しています。何より、ここ菊池では豊富な地下水がありますので、それがたまごの質にもよい影響を与えています」

 創業56年のこだわりが感じられる言葉です。そのプライドから誕生したもう一つの商品が、オリジナル「たまごかけ醤油」です。

 「開発したのは20年近く前になります。今でこそ、多くのたまごかけご飯用の醤油が販売されていますが、当時は珍しかったと思います。食べ方についても、たまご屋ならではのこだわりがあります。

 まず、ご飯に醤油をかけます。それから溶きたまごをかけるのです。溶きたまごに醤油を入れてしまうと、醤油の香りが強く出過ぎてしまいます。そのため、最初にご飯に醤油をかけ、そこにたまごをかけるのです。

 エサにこだわる弊社のたまごには、臭みもありません。だからこそ、おすすめしたい食べ方なのです」

コッコファームたまご庵 熊本県菊池市森北1077番地 0968-24-0007
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Wedge 2025年11月号より
未来を拓く「SF思考」 停滞日本を解き放て
未来を拓く「SF思考」 停滞日本を解き放て

SFは、既存の価値観や常識を疑い、多様な未来像を描く「発想の引き出し」だ。かつて日本では、多くのSF作家が時代を席巻した。それはまさに、科学技術の進展や経済成長と密接に結びついていた。翻って、現代の日本には、停滞ムードが漂う中、様々な規制やルールが、屋上屋を架すかのようにますます積み重なっている。だが、それらを守るだけでは新たな未来は拓けない。硬直化した日本社会をほぐすため、今こそ「SF思考」が必要だ。


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