第二の成果は、レアアースの開発協力合意に署名したことだ。重要鉱物資源は、今回訪米に当たり、豪州の対トランプ切り札だった。
目下中国がその輸出規制を強める中、米豪の間で合意ができた。日本企業もその事業の一部に参加している。
第三に、豪州が力を入れる太平洋島嶼国との関係強化や最近の豪中関係等も議論されたであろう。
日本にとっても重要な豪州との関係
アルバニージー労働党政権は、総じて、旨くやっているように見える。太平洋島嶼国との関係に注意を払い、島嶼国との関係は緊密になっている。
豪州にとり最重要の対米同盟の管理は、AUKUSを含め容易ではないが、最大の注意を払っていくであろう。クアッドも重視している。
労働党政権は、悪化していた対中関係の改善にも成功した。しかし、豪州は引き続き、対中経済依存と対米同盟の間で注意深い舵取りが求められる。
日本は従来に増して日豪関係を強化していくべきだ。日本にとってもパートナーとして豪州が必要だ。10月26日、マレーシアで高市・アルバニージー会談が開催された。
注目される最近の豪州外交の動向を挙げれば次の通りである。アルバニージーは、10月12日訪豪のインドネシア大統領プラボウォと会談し、両国は安全保障条約で合意した。来年1月にインドネシアで条約に署名する見通しだ。
西豪州のヘンダーソン造船所は日本の「もがみ」型護衛艦の現地建造を請け負う予定とされているが、韓国のハンファが同造船所を所有するAustalの買収に動いており、日本は懸念している。

