イエス・キリストが生まれた町とされる、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区ベツレヘムでは、ガザ地区での戦争が始まって以来、2年連続でクリスマスの公的な祝賀行事がすべて中止されていた。
しかし、10月10日にイスラエルとイスラム組織ハマスの間での停戦が発効したことを受け、このキリスト教の聖地は今年、クリスマスの祝祭を再開した。
聖誕教会前の広場に設置された伝統的な巨大クリスマスツリーにも、イルミネーションが点灯された。
地元住民は、キリスト教徒もイスラム教徒も、クリスマスツリーの前で自撮りをしている。少数ながら、外国人観光客の姿もある。
現在、通りには鮮やかなイルミネーションが飾られ、クリスマスバザーや子ども向けのパーティーを宣伝する看板も掲げられている。
ベツレヘムのマヘル・カナワティ市長は、「この2年間は沈黙の悪い時期だった。クリスマスもなく、仕事もなく、雇用もなかった」と語った。
「私たちは皆、観光で生計を立てているが、観光はゼロまで落ち込んだ」
一方でカナワティ市長は、祝祭の再開が議論を呼んだことを認めている。苦境が続くガザには、小さなキリスト教徒のコミュニティーもある。ガザのキリスト教徒の多くは、ベツレヘムに親族がいる。
過去2年間、ベツレヘムでは失業率が急上昇している。2023年10月にハマス主導の攻撃がイスラエル南部で発生し、それが戦争の引き金となって以来、ヨルダン川西岸のパレスチナ人労働者の数万人が、イスラエルやその入植地に働きに出ることを阻止されている。
