2025年12月19日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年12月19日

 特殊部隊は、生存者が助けを呼んで積荷を回収することを防ぐために二回の攻撃をしたと言っているらしいが、詭弁である。さすがに、議会上下両院の軍事委員会が調査に乗り出す構えである。

軍人に責任を押し付ける

 そのような中、ホイトハウスのキャロライン・レビット報道官は、12月1日の記者会見で、ヘグセスがブラッドリーに9月2日の攻撃の権限を与えたことを認めた上で、用意したメモに従い「(ブラッドリー)は彼の権限と法の範囲内で行動し、ボートの破壊を確かなものとするよう戦闘を指揮した」と発言した。ヘグセスがホワイトハウスの助力を得て、ボートの生存者殺害の一件に距離を置こうとしていることは明らかである。

 この発言は軍人に責任を押しつけ犠牲にすることを意図したものとして、ペンタゴン内部に強烈な反発が生じたらしい。軍は米国社会で最も信頼されている組織であり、軍をスケープゴートにする試みは失敗するであろう。

 トランプ政権は、あと3年もの間、国民を煙に巻き欺き続けることは出来ないことを認識すべき時がいずれ来るかもしれない。ベネズエラやウクライナだけではない。トランプ関税もそうである。

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