2024年4月25日(木)

田部康喜のTV読本

2014年7月2日

 壇蜜は不思議な経歴をもった、突然のように現れた女優である。大ヒット作「半沢直樹」、粉飾決算をする企業の愛人役をこなした。最初の主演映画「私の奴隷になりなさい」(2012年)で映画にも進出している。

 壇はさまざまな職業遍歴を遂げたのち、29歳でグラビア・アイドルデビュー、またたくまに、テレビや映画に出演、雑誌のカバーを飾っている。

 NHK Eテレの毎週木曜日の深夜枠「ミュージック・ポートレート」に、壇は、「相棒」の鑑識係役として知られる、俳優の六角精児とともに出演した(6月12日、19日)。

 この番組は、デザイナーや編集者、美術家などさまざまな分野で活躍する2人の人物が登場する。それぞれが人生の岐路で自分の道筋を決めたり、生きる支えになったりした曲を10曲ずつ紹介しながら、「自分史」を語る。

 ふたりで2週の登場で、私が観た回は「第2夜」であった。

居所がなかった自分に与えられた場

 第1夜の幼少時代から女優に至るまでの人生を振り返って、ナレーションは「(壇が)小学生時代からひとりぼっちのトラウマを抱えていた」という。

 「負け犬根性でしたね」「タブーとされる、不謹慎ですが死に興味があったんです」

 大学を卒業後に死に興味を抱き、葬儀専門学校からいわゆる「おくりびと」として働いた。

 女優のデビューには「神話」がともなう。壇の自分史は、これまでの女優のそれとはまったく異にしている。

 グラビアモデルに応募したのは、「アルバイトの感覚です。街角でティッシュを配るように、少しでもおカネが入れば生活が楽になると思って」

 彼女が選んだ10曲は、番組のホームページで詳細がご覧にいただけます。他の出演者についても同様です。


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