2026年1月12日(月)

古希バックパッカー海外放浪記

2026年1月11日

トロイの遺跡近くの幹線道路沿いのトヨタの販売店。トルコはインフレ ・物価高により新車販売価格は毎年大幅に上昇している。公務員のイマムの月給ではカ ローラは高嶺の花である

【元電気技師のイマム】

 9月10日。古代ギリシアのアスペンドス遺跡の西方の村のモスク。50代のイマムはトラブゾン出身。大学で電気工学を専攻してイスタンブールで電気技師をしていた。それからイスラム教の勉強をしてイマムになったという変わり種。近くのアパートから電動バイクでモスクに通っていた。トラブゾンに家族を残しての単身赴任だ。日本でもサラリーマンを辞めて僧侶になる人が増えているらしいがイマムも同じような理由なのだろうか。

【几帳面で家族思いのイマム】

 9月13日。マナブガットの東方の村の小さなモスク。6時頃起床したら早朝礼拝を終えたイマムが手招きしている。モスクの中に3畳くらいの小部屋がありイマムの執務室になっていた。イマムはこの小部屋でモスク運営の事務作業をして運営記録を付けている。出納帳のような大きなノートに支出明細や寄付金が細かく記載されていた。電気ポットでお湯を沸かして紅茶を淹れてくれた。

 イマムは英語が不得手と言いスマホの翻訳アプリで会話。イマムは54歳、古都コンヤの出身でマナブガットには単身赴任。家族は妻、子ども3人、孫1人。長女は小学校の先生。

 イマムの若いころは兵役が18カ月だったという。そして40歳までは予備役の義務があったようだ。ちなみに現在の兵役は短縮されて6カ月。イマムはトルコの軍隊と警察は国民から尊敬され信頼されていると評価した。やはり宗教指導者には保守的価値観の持ち主が多いようだ。

【トルコの政教分離ではモスクは国家が管理、イマムは公務員】

 各地で会った何人ものイマムが出身地とは遠く離れたモスクの責任者として任命されて多くは単身赴任している。日本のお寺の住職の多くが世襲であるのとは異なり何か上部組織があるように思われた。モスクでもらった日本語や中国語のイスラム教宣伝パンフレットには発行者が“トルコ政府宗務庁”と表示されていた。

 トルコ宗務庁をネットで検索すると、トルコ共和国では政教分離・世俗主義を実現するために政府直属の宗務庁を設置して宗務庁が全国7万あるモスクを管理し、イマムなどの宗教指導者を公務員として採用し、イマム養成学校やイスラム教学校を監督するとある。

 フランス革命により政教分離したフランスでは政府と教会はお互いに関与せず独立している。トルコの政教分離の実態はフランスとは全く異なるようだ。政治(政府)が宗教(モスク)を“世俗主義のトルコ共和国にとり正しい方向に管理監督”するという関係のようだ。イマムが宗務庁から給与をもらい宗務庁の管理下で各地のモスクの責任者として赴任するという構図が理解できた。

 各地のモスクで気付いたことはモスクの入口の目立つ場所に同一のロゴでモスクの教区、モスクの名前、モスクの設立年が掲示されていることだ。イマムの姓名が記載されているモスクも多かった。トルコではモスクは国家管理されているのだ。

古代ギリシアのアスペンドス遺跡近くの町のモスクの中庭にテント設営 。 4本のミナレットが美しい壮麗な新しいモスクは夜はライトアップされる。

以上 次回に続く

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