しかし、過去においてルール破りは例外だったが、今やそれは常態になりつつある。トランプ政権は、強大な国家が世界を分割し、他国に条件を押しつけるホッブズ的世界への移行を加速させている。
トランプを抑制しうるものは何か。裁判所は一定の成果を挙げており、最高裁は近く、彼の関税権限を制限するかもしれない。11月の中間選挙で民主党が下院を奪還すれば、国内での行動の余地は狭まるだろうが、国際面では効果は小さいだろう。
恐らく、トランプによる米国の力の展開が自分達の生活を害していると米国民が考えない限り、外交政策は変わらないかもしれない。以前の世界の終焉をいかに嘆こうとも、新しい世界に迅速に適応する必要がある。
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「トランプへの適応」の意味
この社説は、全面的に賛成できるトランプ批評である。「世界は、“縛りを解かれたトランプ“、すなわち、国内では自らを拘束するものがないと感じ、米国が好きなように国際的に行動する権利を主張するトランプと向き合っている。彼は、米国の支配を主張してきた西半球だけでなく、やれると判断すればどこでもやる」と言い、トランプの世界は急速に「ホッブズ的な世界」に移行していると言う。
トランプの連銀議長パウエルへの圧力も異常だ。トランプの無謀さやその執拗さは、今や病的にさせ見える。この社説は、低迷する国内の支持率から目を逸らす、あるいは自分の衰弱や健康不安の噂への反論でもあると述べるが、それも当たっているだろう。
上記の社説は、トランプを抑制しうるものは何かと問い、最高裁や議会を挙げるとともに、最後は「米国民」しか変えられないだろうと言う。メディアの力もあるだろう。
しかし、ワシントン・ポスト紙は既にトランプへの従順に転じている。議会には、弾劾の権利がある。弾劾過程は乱雑だが、それは政治の大きな調整にはなる。中間選挙後、弾劾の可能性もあり得るだろう。
その理由は益々積もっている。多くの米国民が、選挙の重さと大統領の適性の重大さを再認識しているのではないだろうか。
上記の社説は、米国の同盟国は「以前の世界の終焉をいかに嘆こうとも、新しい世界に迅速に適応する必要がある」と結んでいる。「適応する必要がある」というのは、トランプに「従う」という意味ではなく、「対応」すべきという意味だと理解すべきだろう。
