2026年2月6日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月6日

 ここまでくると、もう「お世辞」の段階は終わった。後は、理論的には、「説得」、「交渉」、「取引」、「対抗」、「抵抗」、「腹背」、「離反」、「忍耐」というところであろうか。しかし、我々の価値や信条を忘れてはならない。

 結局、安保や経済の利益を守りつつ、これらの手段を駆使して、対応していく他ないのだろう。その際、トランプに対する直接の挑戦は怒りを買うが、かといって弱い姿勢では益々トランプに突かれるから、注意を要する。

トランプの世界が優るわけではない

 今やトランプはグリーンランドで欧州を圧迫している。同盟国の間でかかることが起きることは、尋常でない。欧州には同情する。

 北大西洋条約機構(NATO)内も割れているようだ。1月6日のデンマーク支持声明はNATO声明ではなく、仏独英等7ヵ国だけが出したものだった。

 グリーンランドの件は、1951年のデンマーク・米防衛協定など既存の国際協定に基づき、米軍基地を拡大すれば済むことである。同地のレアアースの開発も市場を通じて拡大すればよい。しかし、トランプは「所有」が「必要」だと不可解なことを言っている。

 トランプ政権の反国際主義の行動やそのレトリックは、目に余る。確かに、国連には幾多の本質的ではない活動や機関が増えていることは認めざるを得ない。しかし、そうであれば加盟国と協力して整理すればよいではないか。

 また、上記の社説は、「過去においてルール破りは例外だったが、今やそれは常態になりつつある」と言う。まさにその通りだ。プーチンもそうだ。しかし、世界は無力感に堕ちてはいけないし、それが新たな常態と思ってもいけない。トランプの世界が今までのシステムに優るとは決して言えないことは明らかだ。

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