2026年2月11日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年2月11日

 さらに、平和創設のための意思と能力がある国々の分断に繋がる。英仏独伊を含む欧州主要9カ国は招待を拒否している(ただし、トランプが今後この組織をウクライナ和平のために使うことになれば、欧州諸国は外部に留まるか、内部に入って影響力を行使するかという、難しい決断を迫られることになるだろう。なお、欧州連合(EU)は招待を受けているが対応を表明していない)。

 カーニー首相がトランプ批判と聞こえるスピーチをダボスで行い注目されたカナダは、その直後に招待を取り消されてしまった。なお、これは平和評議会の決定だとトランプ氏のツイートは言うが、そのための決定が規則に沿ってなされたようには見えない。これは、まさに今後平和評議会がトランプ氏により恣意的に動かされる可能性を如実に示している。

 要するに、平和構築のために「意見」は言うが「実質的支援」をする参加国は大きく限られるだろう。結局、平和構築の責任を他国に分担させようという米側の意図通りにはならず、米国が決めた和平提案を、結局米国が国際的正統性の無い中で実行しなければならなくなるのが関の山ではないだろうか。

トランプによるトランプのための組織

 また、既述の通り、運営があまりに恣意的で、国際社会の共感を得られるとは思われない。永続的参加のためには10億ドルを支払う必要があり、支払わない国の参加は3年に限定。トランプ氏が初代・終身議長を務める。

 なお、議長は執行理事会のメンバーの任命や、下部組織の設置・解散の権限を有する。さらに、議長は、評議会執行部の決定について、いつでも事後的に拒否権を行使できる権限を持つという報道もある。

 ある新聞報道では、「これは、世界規模のマー・ア・ラーゴ」だ、という指摘(すなわち、トランプの知り合いのみが、トランプの影響下でトランプが作った組織で物事を動かすということ)があったが、これは至言だろう。

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