米国とのガチンコ勝負を選択したカーニー首相の人気は大変に高いが、これが長引けば長引くほどカナダ経済へのマイナスの影響は大きく、この人気が長続きするかどうかは分からない。中国との貿易合意を含む多極化の努力は重要だろうが、その構図を大きく変えるとは思えない。
ミドルパワー外交の行方
次いで、カナダの「中規模国外交」について日本はどのように考えるべきなのか。一時、ミドルパワー外交を標榜した日加豪韓4カ国の会合があったが、結局モメンタムを維持できず、空中分解した。
その中で一番積極的だったのは韓国だった。豪州、カナダは斜に構え、最終的にはカナダの脱退が空中分解の引き金となった。
当時も、経済面での連携が共通の課題だったが、現在ほど自由貿易崩壊の危機感は無く、十分な推進力が無かった。逆に言えば、現在、半導体のサプライチェーンを巡り日米台加豪韓といった集まりが耳目を集めているが、米国が自由貿易体制を壊しにかかっている中で、自由貿易体制維持により一定の秩序を保とうとする方向でミドルパワーが連携するということはあり得るだろうし、意味もある。
問題は、安全保障だ。地理的に相当離れたカナダと日本が同様の対中脅威認識を持つことは難しい。そんな中、カナダのミドルパワー外交に簡単に乗ることはできないだろう。嫌でも最後は米国に頼ることが近道なのだ。

