2026年4月1日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月1日

 トランプはイランの政権に莫大な代償を課したことは確かである。イランのミサイルは 90%超減り、イランの最高指導者は死亡した。

 正式な和平に合意することなく空爆を止めることによって、トランプは将来の攻撃のオプションを残せる。そうすることによってトランプはイランの政権に大惨事をもたらすこともできる。聖職者は姿を現し、粉々になった軍、大破した経済、そして最も重要なこととして、一体これらすべては何のためだったのかと問う民衆に向き合うことになろう。

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トランプに「勝利」を納得させろ

 このワシントン・ポストの社説は、ホルムズ海峡に艦艇を派遣し、商船を護衛することによって閉鎖状態にある同海峡をこじ開けることはできないと指摘した上で、解決策はトランプが勝利を宣言し身を引くことにあると主張している。すなわち、身を引くことによって、イランの民衆が政権の失政を問うことを待つべきであり、結果として政権が崩壊することを期待し得ることを主張している。

 3月19日、ワシントンにおける日米首脳会談の席で、高市早苗首相は、冒頭、トランプ大統領に対して、「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ、それを私は直接伝えたくて来ました」と述べた。世界一の軍事、経済大国である米国の大統領が決断して世界に対してできることは多いし、その影響力は莫大である。その意味では、ホルムズ海峡危機の解決策をトランプに求めるワシントン・ポストの上記社説とほぼ同様の趣旨である。

 トランプが爆撃を止めたとしてもイランの民衆が立ち上がる保証はない。立ち上がったとしても、彼等は虐殺の対象になるかもしれない。しかし、ホルムズ海峡の問題を解決するために、トランプにこの無謀な戦争を一日でも早く止めさせることが当面の優先課題であるべきである。

 そのためには、トランプに彼の顔の立つ出口(戦争を止める口実)を用意してやる必要がある。レジーム・チェンジの素地は作られたのであり、それは勝利なのだとトランプに納得させることは一つの有効な方法のように思われる

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