2024年12月22日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月24日

 オバマ米大統領とアボット豪首相が、ロサンゼルス・タイムズ紙への6月12日付けの寄稿で、太平洋地域が繁栄するためには、国際紛争は平和的に、かつ国際法に則って解決されなければならない、と述べています。

 すなわち、豪州は米国のアジア・太平洋地域をより重視する対外関係リバランス策を歓迎し完全に支持する。

 米豪両国は、新たに合意した軍事協力取り決めにより、アジアにおけるより密接な防衛協力が可能となる。我々は新しい戦略的状況に対応しなければならず、開かれた、法に基づく地域の安定と安全を支持するため、協力を強化する。すべての国の将来の繁栄は、そのような安定と安全に依存する。

 今日、米豪両国は、アジアにおいて海域における主権を主張するため挑発的行動が増大し、誤算の危険が高まり、最悪の場合紛争が起きかねないことを憂慮する。

 地域が繁栄するためには、国際紛争は平和的、かつ国際法に則って解決されなければならず、紛争解決のため、仲裁を含むあらゆる選択肢が利用されるべきである。

 合法的な海、空での航行の自由は維持されるべきである。

 両国は、世界のGDPのほぼ40%、世界の人口の11%、世界の貿易の4分の1以上を占める地域の経済統合を深めるTPPの締結の強くコミットしている。

 豪州は本年のG-20の議長国として、世界の主要経済が経済成長と雇用の創出に努力を傾注するよう、米国と密接に協力している。

 米豪両国が結束すれば、両国、そして世界はより安全でより繁栄し、より正義にかなうものとなろう、と述べています。

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 寄稿文の中心はアジアの海域における挑発的行為に憂慮を表明し、紛争が平和的に、国際法に則って解決されなければならないと述べていますが、これは明らかに中国を念頭に置いたものであり、中国に対する明白なメッセージです。


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