2026年5月1日(金)

オトナの教養 週末の一冊

2026年5月1日

 そうして自分だけが自分をコントロールできる存在であることを理解し、積極的にアイデアを出し、意識して最終結果を引き受けることの重要性を指摘する。

 自分に正直に向き合うのは辛かったり、逃げたくなったりすることもあるだろう。それでもそうした思いを乗り越えて自分自身をマネージしていくことの重要性を本書は教えてくれる。

ラーメンビジネス 麺好きから評論家まで楽しく読めるラーメンの教養

 遠方にある店だが休みが取れたら気になっているラーメン屋に行ってみようと思う人もいるだろう。そんな方におすすめしたいのが本書である。

ラーメンビジネス 麺好きから評論家まで楽しく読めるラーメンの教養
井手隊長 著
クロスメディア・パブリッシング
¥1,738 税込 

 ラーメン好きの方はもちろん、これから探索してみようと思っている人にも参考になり、ビジネスとしてのラーメンをどうとらえるなど多様な視点を提供してくれる本でもある。本書はラーメンについて歴史、材料、ビジネス、地域性、商品の種類など経営者的な視点で分解してみせてくれる。

 ラーメンといってもその種類は多岐にわたるが、不動の人気を誇るのが醤油である。醤油は日本人の生活に根付いた身近な調味料としてあり、そこが醤油ラーメン人気のゆえんである。その魅力について著者はこう記す。

職人たちが口を揃えるのが、醤油の「色味」の力だ。ラーメンを作るうえで、味と同じくらいに「色の濃さ」は重要な要素になる。スープの透明感、表面に浮く油の照り、麺とのコントラスト。醤油の濃淡を調整することで、「食べたい」という欲求を刺激できるのだ。

 かたや塩ラーメンは、専門店が少ないジャンルだという。一定の年齢以上の方ならわかるだろうが、塩ラーメンは、多くの人にとってロングセラーである「サッポロ一番 塩ラーメン(袋麺)の印象がその後の外食体験にも影響している可能性があると本書は指摘する。

 自らの経験をふりかえってみても、塩ラーメンの原点はそこにあるように記憶する。小学生の時、まだ土曜日に授業があった日の午後、家に帰って昼食に食べたという思い出がある。なかなか専門店が生まれにくいというのは感覚的にも理解できる部分ではある。

 さらに味噌ラーメンや豚骨ラーメンの特徴なども記され、経営的にはラーメンの原価率が他の外食に比べて高めだという指摘は意外な気づきである。やはり光熱費や食材価格の上昇による負担増が大きいのであろう。

 一方、他の外食チェーンがラーメン分野に進出するのも最近の傾向で、牛丼チェーンの参入はその典型例だという。コストや手間などを総合的に分析し、勝算ありと踏んでいるとみられる。

 加えて著者も指摘するように、コメや牛肉といった食材に過度に依存するのを避けるという判断もあるのだろう。リスク分散しながら稼げる有望分野に進出するという戦略が見てとれる。


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