2026年5月9日(土)

オトナの教養 週末の一冊

2026年5月9日

働き続けることがもたらす“健康長寿”の効果

――再就職・副業でもOK
 意外に思えるかもしれないが、「働き続けること」が健康長寿につながるというデータがある。慶應義塾大学の研究チームは、65歳~74歳の日本人男性を対象に仕事継続群と非継続群を比較し、死亡リスクや認知機能低下リスクが有意に低下したことを報告している。

 正社員への復帰にこだわらず、契約社員やアルバイト、ボランティアでも構わない。「自分が社会に貢献できる」という実感が、心身ともにプラスに働くのだ。

定年前から始める4つのシフト術

――理想の“自分役”を演じる、地域貢献、スケジュール白紙化、自己肯定リセット
 本書の特色は、各章末にまとめられた「定年前からの実践ヒント」だ。
・日常の「ぼんやり時間」を意図的につくり、脳と免疫をリセットする
・「理想の自分」を演じるフレーズを持ち、感情制御を“役者ごっこ”で鍛える
・同窓会や昔の肩書に固執せず、軽い交流を再就職準備のきっかけにする
・地域ボランティアや自宅のトイレ掃除など「小さな感謝体験」を重ね、居場所を築く

 これらは派手な自己投資を必要とせず、50代の忙しいビジネスパーソンでも日々のスキマ時間で取り組める。
 定年前後に訪れる「環境変化」は避けられないが、戦略的に備えることで定年後を“病”にせず、むしろ人生後半戦を充実させることが可能だ。『定年を病にしない』は、行政データから豊富な事例までを踏まえた一冊だ。ビジネスパーソンとしてのキャリアを終えたあとも、健康・経済・社会参加の面で「しなやかに働く・生きる」ための具体策が詰まっている。定年後の不安を解消し、新たな人生ステージを自らデザインしよう。あなたの50代からの備えが、後半戦の豊かさを決める。

定年を病にしない
高田明和 著 ¥1,430(税込)

 

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