日本はまだ負けていない
私は若い頃、資源とは地下から掘るものだと思っていた。ロシアのスクラップ。中央アジアの鉱山。旧ソ連の製錬所。世界中を歩きながら、資源の現場を見てきた。その経験から言えば、日本はいま厳しい場所に立っている。
銅鉱山はない。生産規模では中国に遠く及ばない。都市鉱山も現時点では足りない。このままでは中抜きされる危険がある。
しかし、だからこそ日本は変わらなければならない。鉱山がないなら、都市を鉱山にする。物量で勝てないなら、工程を握る。価格で勝てないなら、品質と信頼で勝つ。資源を奪い合うだけでなく、循環させる仕組みをつくる。
AI革命の時代、日本に残された最後の鉱山は地下にはない。都市にある。通信網にある。
データセンターにある。
そして何より、日本人が磨いてきた工程管理と素材技術の中にある。
私はそこに、日本の反転攻勢の可能性を見ている。
