台北では、習近平は心理作戦上、北京会談においてトランプに勝ったのではないかという見方をする人もいる。
大統領就任直後トランプは、台湾が防衛のために米国からの過剰な防衛予算を使用しており、また在米投資の半導体の面では米国内の職を台湾人が奪っているとの趣旨の発言を繰り返した。そのため一時は、いざとなっても米国は台湾を助けてくれないのではないかという「疑米論」が台湾市民の中で広まったこともあった。
トランプ・習近平北京会談の後では、トランプが、台湾への武器売却は「取引の材料になる」として、台湾にとって重要な安全保障上の抑止力を「取引・交渉のチップ」と呼んだことはよく知られた事実である。
「台湾に関する米国の政策に変更はない」
トランプ・習近平会談後、トランプは名前こそ挙げなかったが、台湾の指導者と話をすると述べており、これに対し頼清徳は「喜んでトランプ大統領と話をしたい」と言ったが、その後、特段の動きはないようだ。中国にとって、頼総統は危険な台湾の分離主義者(dangerousseparatist)であることに変わりはない。
トランプ大統領下の米国の台湾政策は、必ずしも明白なものとは言えない。ただし、参考のためにトランプ訪中後の6月2日に、ルビオ国務長官が米国議会で行った議会証言を挙げておく必要があるだろう。
同長官は、「台湾に関する米国の政策に変更はなく、米政権は現状維持を望んでいる。それが我々の政策であり、これまでも、これからもそう言い続けるだろう。非常に繊細なバランスを求められる関係だが、台湾に関するわれわれの政策は変わらない」と述べた。
ここから明らかなことは、米国の国内法である「台湾関係法」など法的措置なども、今後変わることなく米国政府によって順守されてゆくことが読み取れることである。

