2026年7月18日(土)

World Energy Watch

2026年7月17日

 これから農作業が活発になり農業機械の利用が増え軽油の需要が伸びる時期になる。夏の旅行シーズンも始まる。ガソリンの需要量も増える。

 供給のためには製油所の修理が必要だが、修理しても、また攻撃されるから無駄との投げやりな声も聞こえる。ウクライナは同じ製油所を何度も攻撃し、修理に必要な部品の入手が困難な設備を集中的に攻撃しているとの指摘もある。モスクワ製油所の修理には少なくとも3カ月必要とされ、多くの製油所の修理は夏を超える。

 結局、当面ガソリンと軽油を輸入し凌ぐしかないが、国内のガソリン価格も上昇し消費者の不満も高まっている。

上昇するガソリン価格はプーチンを追い詰めるか

 ロシアのガソリン価格は上がり続けている(図-7)。7月6日の1リットル当たりの価格71.66ルーブル(約149円)は、1年前との比較で17%値上がりしている。供給が制限され価格は上がり、消費者は泣き面に蜂だ。

 ロシアが占拠しているクリミア半島は、1日当たり数十回のウクライナのドローン攻撃を受けているが、ガソリン価格は世界最高レベルに達しヤルタ会談で著名なヤルタではハイオク1リットル当たり450ルーブル(940円)とウクライナ紙は報じている。

 ガソリン価格が支持率に影響を与えるのは、トランプ大統領が実証済みだ。イラン戦争の影響で上昇したガソリン価格は、トランプ大統領の支持率に影響した。

 米国内のガソリン価格が高止まりする中で、現在トランプ大統領の物価対策への支持率は約3割しかなく、不支持が7割だ。

 プーチン大統領の支持率も下がっているが、依然6割が支持している。もっとも、ロシアの世論調査の信頼度には疑問符が付く。設問の仕方に支持率が高く出る工夫があり、支持率が高く出る対面調査もあるとされる。

 ロシアの独立系ジャーナリスト、ヴラディズラフ・ゴリンは、9月の下院選までプーチンは安泰とみている。戦時下では忠誠心を示すことが合理的判断であり、国民の不満は抑えられる傾向にあるのが、その根拠のひとつだ。

 国民はガソリンの供給と価格に不満を持つが、それがプーチン大統領の不支持を大きく増やす可能性も低いとみられている。ソ連時代と同じくロシア国民の個人の生存戦略で生き抜く行動パターンも、政権には有利とゴリンは指摘している。

 一部では反戦運動が再開するかもしれないが、仮に起きても力で抑え込むのがプーチン流だろう。

 ウクライナは空爆の強化によりロシア国内での厭戦機運の高まりと停戦交渉へのプーチン大統領の参加の実現を狙っているのだろうが、実現するかは微妙だ。

 プーチン大統領は、燃料不足を認めたものの短期的な問題と強弁した。ガソリン、軽油不足はインド、隣国ベラルーシなどからの輸入での乗り切りを図り、選挙での圧勝を目指すのだろうか。

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