2026年8月19日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年8月19日

 例えば、ナフサ不足。政府はナフサの需要量に見合う十分な供給量が確保されていると言うが、企業の問題は、それが需要に応じて適時に供給されるかどうかであり、その点が不明な限り「ある時に買う」という心理から、必要量よりも大きな需要が発生して目詰まりを起こすのだ。石油ショックの際のトイレットペーパーの例を想起すればその心理は良く分かるだろう。

 国際社会でも、予測可能性の範囲内で物事が動いていれば、何とか対応できる。潜在的脅威国との意思疎通と誤解排除が重要な所以だ。その根本をトランプは無意識に壊しているのだ。

 さらに、「良いことをやるのを止めた」ことの影響は深刻だ。国際法上非合法な侵略を繰り返す一方で、アフリカを中心とした疫病対策の国際協力の7割以上(エイズ対策96%、マラリア防止87%、結核対策74%)、ガバナンス支援の84%を一国で支えてきた(UJF/PWU 報告書)、ずば抜けて世界第一の米国の国際協力は、国際開発局(USAID) の解体で8割減、その後、議会が一定の人道支援を復活させたとはいえ、5割減になり、欧州のトップドナーが国防費に政府開発援助(ODA)資金を回す中で、他の国が束になっても米国の抜けた穴を埋められない深刻な状況だ。

 また、米国市場へのアクセスはグローバルサウス取込みの最大の梃だったが、それも今は不確かだ。これらの善行の欠如により、悪行の影響は一層深刻になる。

信頼よりも大事なもの

 ただし、最後に言いたいのは、「信頼」が何だということだ。日本は、米国が「信頼できるから」または「尊敬できるから」米国と同盟している訳ではない。また、その判断に当たって「気候変動」を持ってくるあたりが、欧州の欺瞞である(中国の電気自動車や太陽光パネルに市場を席巻され、気候変動対策を緩めている)。

 もちろん、同盟の信頼性は重要だが、より重要なのは、米国が中国を抑止できるだけ「強いかどうか」だ。ピューには、米国と中国の「強さ」比較の世論調査をやってもらいたいものだ。

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