従って、米国は「守り」の姿勢だけではなく、むしろ中国のように積極的にオープンウェイトで新型モデルを世界に広めるように、米国製を「世界標準」にすべきだとする声もある。7月24日、Dell、Google、IBM、NVIDIA等のテック企業が連名で、オープンウェイトこそがAIを経済的に持続可能なものにする鍵で、「閉鎖」モデルに依存するのは危険であるとする公開書簡を発表した。
中国もオープンウェイトへ懸念
一方中国も、自国のフロンティアAIをオープンウェイトでリリースすることで、何らのリスクも負っていない訳ではない。AIの安全性を評価する米英の機関によれば、Kimi K3の性能は、「脆弱性利用コードの開発」や「シミュレーションされた企業ネットワークへの攻撃」において、最新型のフロンティア・モデルに対して「大幅に劣っている」との結果が出ている。
Kimi K3をリリースすることで自国製品へのハッキング等に繋がらない保証はないのである。それでも中国がKimi K3をオープンウェイトでリリースしたのは、中国としては自国に跳ね返ってくるリスクを甘受しても、自国製品を世界標準にするとの戦略目標を優先して取り組んでいることを示している。
ただし、報道によれば、Kimi-K3がリリースされる1カ月以上前、つまり米国でフロンティアAIに対する事前審査を求める大統領令が署名された頃(6月2日)から、すでに中国当局は主要テック企業と会合を開き、モデルの学習に用いる重要データの海外移転やモデルの「ウェイト(重み)」を海外ユーザーがダウンロードできるようにすることへの制限について協議したとされる。中国においても、これまでのオープンウェイトによる公表に変更が加えられる可能性が出てきている。
