ところが、これに対するモディ首相の反応は、上海協力機構の首脳会談の前日に訪日し、日本との友好関係を見せつけてから中国へ行った。そして中国での会議が終わると、軍事パレードが始まるより早く、さっさと帰国してしまったのである。
最近インドは、フィリピンへブラモス超音速巡航ミサイルの輸出を継続している。フィリピンが持つ武器の中で最高水準の中国対策の切り札だ。さらに台湾の国産潜水艦開発でも、一部で協力が伝えられている。
つまり、インドがやっていることは、カメラの前では習氏に笑顔を見せながら、実際の行動では、着々と中国に対する対策を進めており、そのもっとも有力なカードが日本との防衛協力促進というわけである。
インドが狙う「印中冷戦」の安定化
インドは何がしたいのだろうか。インドと中国の過去70年以上の歴史を見る限り、インドと中国の関係は、戦争をしているか、戦争はしていないが警戒心を解いていないような関係である。つまり一種の「冷戦」的な状態といえる。
もし、うまく管理できなければ、インドと中国はいつでも戦闘状態に入る。そこで、インドとしては、この「冷戦」の安定化を図るのである。
中国と友好関係を演出し、できるだけ緊張を高めないようにする。協力できる時は、協力を促進するのだ。
しかし、そのような協力関係の促進の努力をしている時も、インドは中国との戦争に備えている。ここからみてインドと中国は、永遠のライバルといっていいのだろう。そしてインドは、中国の目の前で、日本との防衛協力を進めながら、そのことを世界に見せつけているのである。
※余談であるが、インドのジャイシャンカール外務大臣の夫人は日本人で、今やジョージ外務次官の御息女も日本人と結婚し、モディ政権指導部では日本人の親族が増えつつある
