2026年4月24日(金)

インドから見た世界のリアル

2026年4月24日

 ホルムズ海峡の情勢をめぐって、アメリカとインドの関係が揺れ動いている。モディ首相はトランプ大統領に電話をかけ、2人は40分にわたって話し合った。その後、ホルムズ海峡を通るインド船に対し、イランの革命防衛隊が銃撃する事態になっている。

(Oleksii Liskonih/gettyimages・AP/アフロ)

 いったい何が起こっているのか。考えられることは3つある。

イランとアメリカの封鎖を突破する必要

 以前Wedge ONLINEでも書いた(なぜインドの船はホルムズ海峡を通過できたのか?インドが手にした「人質」交換という外交カード)が、アメリカとイスラエルのイラン空爆が始まり、イランがホルムズ海峡の事実上の封鎖を行ってからも、インドの船の中にはホルムズ海峡を通過しているものがある。その最初の例は、インドとイランの間で行われた交渉の結果起きたもので、インドが保護しているイラン海軍の乗員と引き換えであった。インド船の通過とほぼ同時にイラン海軍の乗員約100人がインドを出国し、帰国の途についている。

 ただ、その後も、一部のインド船に対し、イランがホルムズ海峡を通過しているのはなぜだろうか。インドには依然として、イラン海軍の艦艇と、その艦艇を管理する最低限の乗員として50人近くのイラン海軍の軍人が、インド海軍の保護下にいる。だから、それらは「人質」として継続的に効果を上げる可能性はある。だがそれだけではないようだ。

 実は、インドは、イランから石油などを購入し始めたからである。戦時下でも、まだイランでは石油の積み出しが行われている。インドは、イランによるホルムズ海峡封鎖を突破する手段として、イランからの購入を実施し始めた。イランは、その船には攻撃しないはずだ。

 ところが、インドの目論見は、課題に直面した。停戦交渉がいったん物別れに終わった後、トランプ大統領が、イランに関係する船舶に対して封鎖を宣言したからである。イランで石油を積み込んだインド船は、イランの封鎖は突破できても、アメリカの封鎖を突破できない。

 モディ首相がトランプ大統領に電話をかけたのは、このアメリカの封鎖が発表された直後である。インド船を安全に通してもらおうとした可能性が高い。

 ところが、である。今度は、イランがインド船に発砲した。インド船は、イランからすでに許可を受けているから、それを訴えたが、結局、引き返すことになったわけである。インドはアメリカとイスラエル、イラン、すべてと付き合いながら、網目を縫うような外交を展開しているが、うまくいくとは限らない。


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