2026年4月24日(金)

インドから見た世界のリアル

2026年4月24日

もうすぐBRICSとQUAD

 インドは、外交面でも、課題に直面している。それもモディ首相がトランプ大統領に電話をかけた背景にある。5月にインドは重要な2つの外相会談のホスト国だからだ。

 1つ目はロシアや中国など新興国グループBRICSの外相会談。今、BRICSは、拡大し、アラブ首長国連邦(UAE)とイランの両方が含まれている。そのため、インドとしては、戦争で関係がこじれた両国をなんとか交渉の席につかせなければならない。

 それだけでも忙しいのに、実は、大事な会議がもう1つある。5月の終わりには、日米豪印4カ国の枠組みQUAD(クアッド)の外相会談も控えているのである。

 QUADの外相会談は、しばらく開かれていない。2025年1月のトランプ大統領の就任式の際と、7月に行われて以来である。その後、トランプ政権が課した関税、特にロシアから石油を輸入していることに対する追加関税をめぐって、アメリカとインドは対立し、QUADを開けなくなってしまったのだ。

 今回のQUAD外相会談は、QUAD首脳会議につながる大事なターニングポイントだ。インドとしては、外相会談をばねに、2024年9月以来開かれていないQUADの首脳会談までつなげていきたいところだ。

成果を上げるパキスタン外交

 しかし、インドにとって懸念材料は、もう一つある。それは、パキスタンだ。今、パキスタンがアメリカとイランの間をうまく仲介しつつある。

 結果として、トランプ大統領は、パキスタンをより重視し始めている。インドにとっては、それが心配だ。

 インドとしては、パキスタンを孤立させ、影響力を低下させたい。インドの外交は、冷戦後の約30年、それによって成功していた。

 武器取引はそれをよく示している。過去10年くらいの武器取引を見ると、アメリカだけでなく、他のアメリカの同盟国まで、パキスタンに武器を売らなくなっていったのである。中国の影響下にあるパキスタンは、アメリカからは信頼できない国になったのである。

 ところが、この流れが変わりつつある兆候が出てきた。アメリカとインドの関係が変わってきたからだ。

 もともとの発端はバイデン政権時の21年、アメリカがアフガニスタンから総崩れで撤退したことだろう。それまでアメリカとインドは、アフガニスタンにおけるイスラム過激派対策で協力関係にあった。それが、アメリカが総崩れで撤退したことで、権威は傷つき、最悪の終わり方に至ったのである。

 22年、ロシアのウクライナ侵略は、さらに米印関係を傷つけた。ウクライナ側に立つアメリカと、中立を唱えてロシアから石油を買うインドの関係は徐々に悪化した。


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