2026年4月24日(金)

インドから見た世界のリアル

2026年4月24日

 そして26年のアメリカとイランの停戦交渉である。まだ、執筆時点では、2週間の停戦とその交渉の継続以上の合意には達していないが、パキスタンが仲介したことに対するアメリカの評価は高い。パキスタンは確実に外交成果を積み上げつつある。

思い出される冷戦時の出来事

 これをインドから見ると、由々しき事態だ。冷戦時代に前例があるからだ。

 1972年、アメリカのニクソン大統領が訪中し、米中接近に至るのだが、それに協力したのがパキスタンだった。ニクソン大統領の訪中を秘密裏に準備するため、当時、キッシンジャー大統領補佐官はパキスタンを訪問し、そこで仮病になり、引きこもった。メディアをごまかすために、である。

 実際には、パキスタンに到着するや否や裏口から出て、空港に待っていたパキスタンの大統領専用機に乗って中国に行き、大統領の訪中を準備したのである。結果、米中パの連携は深まり、続く20年近く、冷戦が終わるまで、インドはこの3カ国に対抗せざるを得なくなった。インドとしては、今、中国に近いパキスタンがアメリカとも接近する事態を避けたいのである。

 こうして、インドは、アメリカとの外交を何とかうまく乗り切れないか、模索している。トランプ大統領に電話をかけたモディ首相は、「My Friend」という表現を使って、関係をできる限り再建しようとしている。

 それは、昨今の情勢からくるインドの危機感の裏返しでもある。

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Wedge 2025年6月号より
日本のコンテンツが世界へ羽ばたく時
日本のコンテンツが世界へ羽ばたく時

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