2026年9月15日(火)

トランプ2.0

2026年9月15日

 次に多かったのが、トランプ氏が所有するゴルフ場やリゾートなどの不動産関連収入で、合わせて5億ドルあった。その大部分は、大統領との接触や関係構築を当て込んだアラブ諸国、ロシア、ベトナムなど諸国の政府関係者や会社経営者の宿泊、パーティ、豪華ショー開催費用だった。また、「トランプ」の名前を冠につけさせたサウジアラビア、カタールの両ホテルからのライセンス料だけで1400万ドルの収入もあった。

 このほか、変わったところでは、大統領にとって不都合な報道をした大手テレビ局やネット・メディア相手に次々に「名誉棄損」で訴訟を起こし、結果的に長引く法廷闘争を回避した被告側から得た「和解料」が総額で8650万ドルにも上っている。

Truth Socialを使ったインサイダー取引疑惑

 「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」などの有力紙は、これらのトランプ氏の所得について、「大統領の地位と名誉にあやかった疑惑取引であることは明白だ」として、批判を強めている。

 これに対し、トランプ氏は記者団の質問に対し「自分は、何ら疑われる取引に直接関与していない」と否定した上、「なぜ、自分はこんなに稼いでるのか? それは、株で儲かっているからだよ」などと開き直った。

 しかし、その株取引についても、最近になって「インサイダー取引」の疑いが浮上している。疑惑の渦中にあるのが、トランプ大統領が重要政策や見解を頻繁に発信するSNSとして知られる「Truth Social」関連ビジネスだ。

Truth Socialのトランプ大統領のページ

 「Truth Social」は、トランプ氏が率いるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー(TMTG)が22年2月、オープンで自由な対話を促すプラットフォームとして開設したものだが、トランプ氏が2期目の大統領に就任した昨年1月以来、大統領の個人的発信ツールと化してきており、世界の政府関係者や金融市場からもその内容に注目が集まっていた。それを逆手にとって、ビジネス化したのが、トランプ・ファミリーだった。

 「TMTG」は今年4月、ウォール街の投資会社相手に、大統領の発信内容に真っ先にアクセスできる特別有料サービスを開始した。1カ月ごとの契約料は1社あたり「6万ドルから10万ドル」と高価だが、同月中だけですでに「10社以上」が顧客となっているほか、ニュース関連会社やAI(人工頭脳)ベンチャー会社などとも交渉中だ。 

 同社は、1秒の1000分の1ほどの「ミリ秒内」の情報提供をうたい文句にしており、大量の株を瞬時に売買することで莫大な差益をねらう投資会社にとっては、大統領が「Truth Social」で発表する国内外の重要政策に誰よりも早くアクセスできることは大きな魅力になっているという。

 しかし、このサービスは、現職の大統領が発信元であるだけに、当然のことながら「インサイダー取引」を禁止した証券取引法などに抵触する疑いが持たれる。仮定の話として、トランプ氏がクライアントである特定の株投資会社へ事前に、株価が低迷している軍事関連会社の株の大量買い付けを促し、直後に、「Truth Social」に「週内に、対イラン大規模攻撃開始」などと書き込めば、急騰する当該株の売り抜けで暴利を得させることが可能だし、利益の何割かのリベイトも期待できることになる。


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