2026年9月25日(金)

Wedge REPORT

2026年9月25日

AI利活用、共同で研究・導入へ

 地域金融機関がめざすビジネスモデルは「地域におけるプラットフォーム」的な役割だ。そのためには地域における確固たる顧客基盤の確立とデータの蓄積・分析・活用が必要だ。そしてAIの利活用による高度な経営・リスク管理と金融サービスの提供がカギとなる。

 これまで審査モデルやマーケティングなど内部での活用が中心だった。千葉銀行などが参加するTSUBASAアライアンスでは、共同での利活用に向け検討。また、八十二長野銀行が中心に8行(予定含む)で活動する「じゅうだん会」は、同行が開発したビジネスマッチングや融資業務などのAIモデルを参加行に開放。横浜銀行は、AIを前提とした事業運営をめざし、将来的なビジネスモデルに対応できる態勢を構築。千葉銀行は7月からAI行員として営業統括部に「AI担当部長」が着任し、地域や顧客に対する取り組みを考えるサポートをする。

「AIエージェント」で変わる対顧客営業

 今後は、対顧客に対するAIの活用がポイントだ。ふくおかフィナンシャルグループは「営業の高度化」で「顧客体験価値の向上」として、「相談や問い合わせ、手続きまで一気通貫で行う『AIコンシェルジュ』AIエージェント」を検討。また、しずおかフィナンシャルグループは新たな経営計画でAIを活用し、Web取引や対面相談で顧客体験の最適化に取り組む方針だ。顧客との接点でAIの活用を具体的に検討されている。

 金融庁でも、金融機関などの取り組みをサポートする。今年10月には、金融データ活用推進協会(FUDA)が金融庁の「生成AIを活用した地域金融機関におけるDX化に向けた実証研究事業」を本格的に開始する。同事業は、対顧客向けの金融サービスを含む生成AIの具体的な事例の創出とリスクを低減を踏まえた活用モデルの活用を目指すもの。金融機関や事業者など100機関が参加する見通しだ。「AIエージェント」の導入のためのガイドラインなどを検討する。

新たな時代のビジネスモデル

 金利が上昇し収益力が大きく改善した金融機関。メガバンクなど大手銀行では、成長する産業や地域などの変化を先取りし、自身のビジネスモデルを進化させていくことが可能だ。しかし、多くの社会課題に直面する地域金融機関は「地域の持続性と自らの成長」の両立が重要だ。

 AIの飛躍的な進歩、規制緩和による異業種からの参入で新たな競争と共創の時代となるなかで、金融機関はビジネスモデルの再構築が求められている。

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