田部康喜のTV読本

2014年8月20日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

アイゼンハワーが掲げた
核の平和利用の流れを受けて

 さらに、取材チームは、米国による日本国民が反核に走らないようにする世論工作の実態も明らかにした。

 アイゼンハワー大統領政権下の「工作調整委員会(OCB)」の文書である。

 1954年にベトナムでホーチミンが政権に就くなど、共産勢力がアジアに浸透している状況を踏まえて、米国政府は第五福竜丸事件が反米運動につながることをおそれた。

 OCBの文書はいう。

 「放射能パニックが共産勢力に絶妙の機会を与える」

 アイゼンハワー大統領は、水爆実験の前年に核の平和利用を掲げていた。

 文書は、そうした流れを受けて、「日本での平和利用を雑誌、映画を通じて訴えるべきだ」としている。さらには、平和利用に関する博覧会を開催することも記している。

 実際に、全国11カ所で開かれ、延べ300万人が来場した。

事実が当時明らかになっていれば…

 科学者たちのアプローチの結果はどうだったろうか。

 高知県黒潮町の元漁民の歯から、自然の放射線被爆とレントゲン検査などの医療被爆を差し引くと、319ミリシーベルトの放射線が検出された。

 通常のひとが健康を保つとされる100ミリシーベルトを超えていた。

 広島の原爆と比較すると、爆心地から1.6キロの地点の被爆に相当する。

 この地域のひとたちは医療費が全額無料などの保護を受けている。

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