田部康喜のTV読本

2014年8月20日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 染色体の異常も被爆を裏付けた。水爆実験のさなかに操業していた元漁船員18人の染色体を検査した結果、14人で異常値が高かった。染色体は、放射線によって断ち切られたあと、復元する過程で、他の染色体と合体したりする異常が現れるのである。

 太平洋のモニタリング・ポストと漁船の航路記録は、98隻の漁船が被爆した可能性があることを示していた。

 ヒロシマの科学者たちが解明した事実が、当時明らかになっていれば漁船員たちの健康が損なわれる可能性は低くなったと思われる。202人の漁船員の追跡調査によると、ガン死亡が多く、水爆実験から34年後に約30%が亡くなっている。白血病の患者も多い。1万3000人に1人の発症率に対して、3人も患者がいた。

 第五福竜丸のかげに隠れていた、真実の記録の出版を期待したい。


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