また、リトフキンはこの後も細かい兵器の種類などを挙げて、それがロシアからの軍事援助ではなくウクライナ軍から親露派が奪取したものであると説くのだが、ロシア軍しか装備していないT-72BM戦車やT-72B3戦車などが目撃されていること(一部は写真に収められ、携帯電話のExifデータから明らかにウクライナ領内で撮影されたものと分かる)などは無視している。リトフキンに言わせればこれも「NATOの初歩的な嘘」ということになるのだろうが、幾つかの偽情報を流すことは出来ても、ネット上にあふれかえる膨大な目撃情報や証拠写真の全てをNATOが捏造しているとはさすがに言えまい。
ところで、紹介したリトフキンの記事は「ノヴォロシアの秘密兵器」と題されている。その意味ははっきりしないが、どうも愛国心に燃えたロシアからの「義勇兵」が秘密兵器だということのようだ。
だが、「義勇兵」たちは本当に愛国心だけでウクライナへ渡っているのだろうが。そしてそこにはロシア政府の関与はないのだろうか。次回はある兵士の死を題材に、この点を考えてみたい。
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