2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年9月25日

 中国が台湾から窃取しようとする目標物は、本論説の言うように、まずは台湾との交渉で用いるための情報でしょう。さらに、中国が優先的に情報活動の対象としているのは軍事機密でしょう。それは、特に「台湾関係法」に基づき米国から台湾に供与される兵器に関する情報です。

 台湾が米国と協力して、軍事機密の防衛のためにサイバーによる「交戦」を行っていることは、これまで外部ではよく知られていなかった点ですが、科技部長の述べた通りと思います。

 中国にとって「核心的利益」の最右翼である台湾については、あらゆる情報を、サイバー攻撃を含む種々の手段を使って、広範囲にスパイしていると見て間違いありません。

 なお、かねてより、中国による台湾侵攻があるとすれば、それに先立って、大規模なサイバー攻撃を行い、台湾の官民のインフラを破壊し無力化する、というシナリオが有力視されています。論説は、サイバー攻撃の意図として、台湾のインフラ破壊を挙げており、このシナリオを裏付けていると言ってよいのでしょう。

[特集]サイバー戦争

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