地方創生担当大臣も新設され、2014年6月の成長戦略で掲げられた「ローカル・アベノミクス」が話題になっている。アベノミクスで景気が良くなっているが、それが地方に及んでいない。アベノミクスの恩恵を地方に波及させるために、ローカル・アベノミクスが大事だというのである。
政府は9月3日、人口急減や地方活性化に取り組む「まち・ひと・しごと創生本部」の設置を決定した。今後5年間で取り組む総合戦略の策定など、来春の統一地方選をにらんだ各種施策に着手するという。
内閣改造後すぐに設置された「まち・ひと・しごと創生本部」 JIJI
この議論は、アベノミクスが、少なくとも都市では効果を上げていることを前提としている。アベノミクスの第1の矢、大胆な金融緩和を早期に実施すべきと主張していた私としては嬉しい限りだ。
事実として、アベノミクスの恩恵は地方にも及んでいる。雇用情勢が良くなっているのは大都市だけのことではない。図は、地域ごとの有効求人倍率(季節調整値)の動きを示したものである。東海、北陸地方の雇用情勢が相対的に良いのはいつもの通りだが、アベノミクスの発動とともに、すべての地域で雇用情勢が好転している。
北海道と九州の雇用情勢が良くないのはいつもの現象だが、それでも0.9倍に近づいている。北海道と九州を除くすべての地域で1倍を超えている。アベノミクスを続けていけば、すべての地域で有効求人倍率が1倍を上回るだろう。