――「硫黄島からの手紙」でのイーストウッド監督とのエピソードが印象的です。尾崎さんの本を通じて、ハリウッドの一流人の横顔をかいま見ることができます。
尾崎:この本では、「硫黄島からの手紙」の監督、クリント・イーストウッドさんが巨匠であるのに椅子にも座らず、常にカメラの側に立ち、スタッフやキャストと同じ目線で映画制作に取り組む姿勢についても紹介しています。
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スターに限らず、一緒に仕事をした撮影監督やメイクアップ担当のスタッフたちが、実はアカデミー賞受賞者であったり、後にエミー賞を受賞したりと、本当に優れた人材に囲まれて働いているんだなあ、と実感させられます。皆、偉ぶらず、一流のスタッフたちも、気さくで優しいのです。
また、日系スターのジョージ・タケイさんに助言をもらったり、タムリン・トミタさんにも様々な局面で支えていただいたりしています。彼らのようにハリウッドで成功しているマイノリティー(少数民族)俳優に共通して言えるのは、自信を持ち、自分を失わず、勇気で厳しい局面を打ち破れること、そして常に人に対し誠実であることだと思います。僕自身も、常に弱い自分をいかに奮い立たせ、気持ちを切り替えて、次の大きな壁、もっと高いハードルに向かう心を養えるかが、永遠の課題だと思っています。落ち込んだ自分も自分の個性だと受け入れて、「失敗や挫折」こそ、自分を大きく伸ばすきっかけになると常に自分自身に言い聞かせています。
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